本記事では、漫画「東京バビロン」の最終回のネタバレと感想について紹介しています。
- 東京バビロンのストーリーの結末はどうなったの?
- 東京バビロンの全ストーリーのあらすじを知りたい
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東京バビロンの作中の名言や名シーンについてまとめています。また主要登場人物の3人、昴流(すばる)、北都(ほくと)、星史郎…
東京バビロン最終回のネタバレ
それではさっそくですが、東京バビロン最終回のネタバレを紹介します。
星史郎が昴流の身代わりに!星史郎は片目を喪失
昴流が病院で仲良くなった少年は、腎臓病のため容態が急変します。
心が優しい昴流は、苦しむ少年に「自分の腎臓をあげたい」とまで考えていました。
そんな心を知らず、少年の母は思いあまって、昴流の腎臓を奪うために医療用メスで昴流に切りかかったのです!
しかし、昴流は無傷。代わりに傷を受けたのは星史郎でした。
そのまま病院に運ばれる星史郎。その姿に狼狽し、星史郎の名を叫び続ける昴流。
その様子を見た北都は「昴流がこれほど他人に執着したことはない」と気づきます。
星史郎が受けた傷は致命傷ではなかったものの、彼は片目を喪失してしまうのでした。
昴流は星史郎の病室を訪れ、自分の責任であることを深く詫びます。
そんな昴流に星史郎は「自分がしたいと思ってしたこと」だと言い、昴流をなぐさめるのでした。
ぼくは星史郎さんに嫌われるのが怖かったんだ。
昴流は星史郎の存在が、自分にとって「特別」であることを感じます。
星史郎の病室で昴流は全てを思い出す!
北都は「今までの昴流は、自分よりも他人を重んじていただけだ」と気づきます。
つまり、今回だけは「星史郎だったからこそ」激しく狼狽したのです。
そんな特別な人に裏切られたら、昴流は壊れてしまう。北都は昴流の身を案じていました。
昴流はいつものように、星史郎への見舞いに訪れ、病室のドアを開けます。
するとそこは、病室ではありませんでした。
闇夜に桜が舞い散る世界だったのです。そこに星史郎が立っています。
戸惑う昴流に、星史郎は「賭け」の終わりが訪れたことを宣言。
星史郎は自分の術で昴流の記憶を呼び起こさせます。
桜にとらわれてはいけない。
昴流は幼い頃から祖母にそう言われていました。
しかし満開の桜のほうから、少女の悲鳴が上がるのを耳にします。
幼い昴流はその声がするほうに、満開の桜の木の下に引き寄せられていきました。
そこにいたのは、高校時代の星史郎です。
星史郎は「桜塚護」の仕事で少女を殺し、その少女の魂が昴流を呼び込んだのでした。
星史郎は幼い昴流に話しかけます。
桜が何故美しいのか。それは桜の木の下に死体が埋まっているからだ、と。
昴流はここで、ようやく星史郎との最初の出会いを思い出しました。
「桜塚護」と出会った人間は全員殺害される、なのに自分は生きている。
そのことに疑問を感じた昴流は星史郎に「自分は何故生きているのか」を尋ねました。
それは自分が「賭け」を行ったから。星史郎は冷たく答えました。
再会し、1年の間星史郎は昴流と暮らす。
- 星史郎が昴流を好きになれば、昴流の勝利。昴流は生きる。
- 星史郎が変わらなければ、星史郎の勝利。星史郎は昴流を殺す。
星史郎は真実を告げ終わり、昴流を殴り始めます。
「人と物の区別がつかない」「人をこうして傷つけても、何も思わない」
星史郎は変わらず微笑みながら、昴流を一方的に殴り続けます。
昴流はされるがままになり、深く傷ついた心から涙を流していました。
星史郎が昴流を殺そうと手をあげた瞬間、闇夜に昴流を守る式神が現れます。
先代の「皇一門」の守護でした。
昴流は星史郎の病室から離され、危険を回避することに成功します。
白い手袋の結界は破られており、心に深い傷を負った昴流は病院に保護されることになりました。
何者にも反応せず、廃人となった昴流を見た北都は深い自責の念に駆られ、昴流に「ごめんね」と謝り続けるのでした。
昴流の悲劇に、北都が対峙する!
北都は昴流の病室で、星史郎と「桜塚護」のことを考えていました。
昴流は何とか命だけは長らえましたが、「桜塚護」ならば必ず昴流に留めを刺すために、再び姿を現すでしょう。
そのとき、昴流は確実に殺されてしまいます。
人のためだけに生きる昴流に対し、北都は「自分の願いを持って、生きて欲しい」と願っていました。
ところがその思いは、星史郎という危険を昴流に近づけてしまったのです。
北都は決心をすると、昴流に「どうか戻ってきて」とささやいて病室をあとにします。
昴流の夢、精神の世界の中。
どこからか昴流を呼ぶ声が聞こえます。
昴流の意識は目を覚まし、満開の桜の木の下で幼少時代と同じように、少女が星史郎に胸を貫かれ殺されているのを目撃します。
その少女の姿には、確かに見覚えがありました。
星史郎に胸を貫かれ、血を流していたのは陰陽師の正装をした「北都」だったのです!
「姉さん!」
昴流は意識を取り戻し、病室のベッドから跳び上がります。
その様子を見ていた祖母は、全てを理解して昴流を引き留めます。
北都は自分が唯一使える「術」で、昴流を守ったのでした。
ふたりの元に、電話がかかり正式に北都の死亡が伝えられます。
涙する昴流。
「あの人だけは……必ず自分が殺します」
昴流は北都の敵を討つため、再び立ち上がるのでした。
漫画「東京バビロン」の感想
後味の悪さには定評のあったCLAMPの真骨頂が東京バビロンにあります。
すがすがしいまでのバッドエンドが「東京バビロン」の真骨頂です。
CLAMP作品はもともと、少女漫画らしい美しい絵柄に壮絶なラスト(しかも悲劇)のコントラストが強い作風があります。
「東京バビロン」では、昴流が普通の人間らしく大切な、特別な人を見つけたものの、相手が敵で、心を持たない殺人者であったことが大きな悲劇として描かれています。
さらに追い打ちをかけるように、昴流の双子であり明るい性格の北都は、昴流を救うため命を落としました。
この一連の流れが「1話」に集約されているため、当時の読者からの反響はすさまじいものがあったでしょう。
昴流と星史郎が結ばれて欲しい、と願ったファンも多かったと思います。
一部では「ああ、やっぱり…」という反応もありました。
CLAMPが幸せな結末を描くとは考えにくかったのです。
あえて後味を悪くすることで、作品を強く印象付けることも考えられていたかもしれません。
北都の術には諸説あり?ここでは「昴流の身代わり」説が濃厚
北都の命をかけた「術」は、「東京バビロン」の続編とされる「X」でも描写があります。
※詳しくはこちらの記事:漫画『東京バビロン』の続編はX。
漫画『東京バビロン』の続編とされるXは現在、連載休止中。また、東京バビロンの実写化やOVA化の過去についても紹介していま…
「X」において、北都の星史郎への気持ちはしっかりと描かれました。
北都は星史郎にも「幸せになってほしい」と願っていたのです。
「X」においては、このシーンの前に北都と星史郎の話し合う場面が追加されているのです。
北都は「あなたが僕に勝てるわけがない」とほほ笑む星史郎に同意しながらも、「だから私しか出来ない術を、あなたにかけるわ」と宣言しています。
つまり、術そのものは星史郎にかけられました。
「X」において北都の術は、「星史郎が昴流を殺そうとすると、術が返ってくる」ものとなります。
しかも北都は、星史郎ですら気づいていない昴流への気持ちも見通していたのです。
星史郎は心の奥では、昴流を愛していたのでしょう。
直接指摘はしないまま、北都は命を終えます。
「東京バビロン」ではここまで深く描かれておらず、精神世界で邂逅した星史郎に北都が殺されるのを、昴流が目撃する程度の描写に留まっています。
昴流の対となる北都は、「東京バビロン」の話し手です。
彼女が作者の疑問や主張を代弁し、問題を投げかけます。
星史郎はさらにそこから、皮肉を言ったり儚さを呟いたりするのです。
「東京バビロン」がうまくいったのも、実は北都のおかげなのです。
当時の読者が全員落ち込んだラスト
当時から昴流と星史郎がくっつくのではないか、という予想はありましたが、成功率は低めではないかと考えられていました。
しかしまさか「くっつく」どころか「昴流は廃人」「北都は死亡」まで描写するとは、考えていなかった読者が多かったようです。
オムニバス形式とはいえ、長い間事件を解決してきた彼らがラスト1話で全てバラバラになってしまう。
これは非常に悲しいエンディングでした。
しかも最後、昴流は復讐を決意しています。
それまでの物語の日常シーンがコミカルに描かれ、3人のお揃いの衣装でのカバーイラストや星史郎の昴流への気遣い、優しさなどが思い起こされると、余計ウツウツとした気分になるものです。
その「ウツウツ」加減を保持したまま、物語は全く別の「X」へ引き継がれます。
正式に続編というアナウンスはなかったので、「X」を見て昴流が、星史郎が登場した時には驚きました。
東京バビロンの事件一覧(あらすじ)
ここでは、東京バビロン全巻(1〜7巻)のストーリーのあらすじを紹介しています。
1巻:「シャネル」の洋服にしがみつく女性の霊退治・東京タワーから自殺した女優の霊退治。
昴流と星史郎の東京での出会いが描かれています。
「もうずっと昔にぼくと昴流くんは会っています」という言葉に、不吉な予感を覚える北都も描かれました。
2巻:現実を認められず「夢」に引きこもる、女子高生の覚醒。
「夢の世界」に入り込んだ昴流を、何者かの式神が助けますが、これは明らかに星史郎のものです。
昴流は星史郎が術を使えるとは知りません。
しかしこの式神はあくまで昴流だけ良ければどうでもいい、という星史郎の体現ですから、容赦なく女子高生の攻撃を行うため昴流が混乱します。
4巻:ダイヤルQ2「前世で戦士だった」という女子高生の悪夢の話・自分の娘を殺された母の復讐劇。
ダイヤルQ2の複数回線サービス、パーティーラインから呪詛を送る女子高生3名に対し、昴流は一瞬の油断から気を失います。
その間に「ぼくの『大切』な昴流くんを傷つけたのは、許せませんね」と星史郎は言い、彼女たちの意識を破壊してしまうのです。
『大切』がカッコつきであることがポイントでもあります。
5巻:MS研究所という謎の組織から女子高生を救う話。
いじめに悩む女子高生は、MS研究所という謎の組織へ。
研究所所長である久美子は霊能力者で、人間を操っていました。
昴流は彼女に激怒しますが、その昴流を星史郎はあっさりと眠らせます。
久美子は、「桜塚護」の暗殺対象だったため、最後は星史郎に殺されます。
6巻:孫を思いやる老人の遺志を届ける話。
本編の事件は、死んだ老人の思いに孫が気づき、老人の霊力がそれを見て微笑んでいるというハートフルな話でおわります。
しかし、短編では星史郎がとある女性の気持ちをあえて煽り立て、自殺にまで追い込んだ過去が暗示されます。
どうやら星史郎は善人ではないことが読者にも伝わってきています。
7巻:腎臓病を患う息子と母の物語。
息子の不遇を嘆く母は、昴流を殺してその腎臓を奪おうとします。
しかしそこに星史郎が現れ、身を呈して昴流を守りました。
この事件により、星史郎は右目を失います。
そしてこの巻でついに3人の秘密が明かされ、エンディングです。
東京バビロンを読む順番についての捕捉
「東京バビロン」はオムニバス形式で物語が進みます。
しかし、残念なことに2巻から6巻まではほぼ事件の内容となっているため、肝心な主人公たちの話が進みません。
「1巻を読み、次に最終巻を読む」
この読み方が最も「東京バビロン」の内容や作者の主張がわかる仕立てになっています。
これからコミック等を集めたいと考えている人がいるときは、参考になさってください。
また愛蔵版も出ていますが、同時のコスチュームの雰囲気などを楽しみたい方は「全7巻」のほうで揃えることをお勧めします。
もちろん正しい順番で読んでも良いのですが、疑問だらけのまま7巻までアンサーが出ない状態が続くため、イライラしてしまうかもしれません。
それで読まなくなるのはもったいないので、あえて最終巻を読むことをお勧めします。
また、今でこそ「大御所」となったCLAMPですが、当時は同人イベントやマイナー雑誌で知られるチームでした。
カルト的な人気を誇り、「東京バビロン」の前の「聖伝リグ・ヴェーダ」もヒットしています。
当時を知っている人からすると、むしろ今のCLAMP人気のほうが信じられないかもしれません。
正直メジャー作品に向いていないという印象が強かったです。