「月刊アフタヌーン」で連載中の沙村広明「波よ聞いてくれ」6巻を紹介します。
素人ラジオのDJの主人公・鼓田ミナレと彼女が引き起こすトラブル、そして人間関係や恋愛模様を描いたコメディ作品です。
波よ聞いてくれ【6巻】のあらすじとネタバレ
ミナレ達が監禁されている和寒町に向かった、中原・甲田・沖の3人。
それを知らないミナレ達は、脱出するためのフェイクとして「波の智慧派」に入信するフリをします。
しかし、脱退されないために家族を教団内につくるという掟から、3名のもとに異性が派遣されました。
特に久連子のもとには穂隠自身がやって来てしまい、ピンチに陥ります。
ちょうどその時施設には札幌からミナレ達を救出するために訪れた中原たちが到着、玄関で信者たちと揉め合っていました。
戦いの中、中原はついにミナレを発見。甲田も無事に瑞穂を確保することに成功します。
そして進次はロティオン、本名・阿曽原律子と再会するのですが記憶喪失である彼女は進次のことを忘れていました。
これを教団の仕業と考えた進次は怒り、脱出を阻止しようとしていた教祖・トリキュミア花輪を殴ります。
追い詰められたトリキュミア花輪は、穂隠と共にデータを持って施設を逃亡しようと試みますが、穂隠はトリキュミア花輪を気絶させ、信者たちに記憶喪失の信号を発進。
「波の智慧派」は解体されることになったのです。
札幌に戻ったミナレたちは士別署に度々事情聴取されながらも、無事もとの生活に戻ることに成功しました。
一方でカレー店「ボイジャー」で働く城華マキエは、「ジョーカースコンスキー」というペンネームでラジオ投稿を続けた結果、無事番組に招かれるまでに至ります。
兄と決別すべく、自分のもっともやりたい「放送作家」を目指すマキエは勇気を出して番組に向かいました。
一方、ネタ不足に悩むミナレの「波よ聞いてくれ」では、瑞穂が積極的に案を出します。
瑞穂が注目したのは、ひきこもりの長男に悩む主婦からのメールでした。
札幌市内の彼女の自宅に取材を敢行し、その様子をドキュメントとして放送すると提案する瑞穂。
ミナレは賛同しかねますが、瑞穂はミナレが関わることで必ず事態は動く、と強気に言い放ち、企画を進めることになりました。
ラジオ番組に出演した後、マキエは兄のいる自宅に帰れず放浪します。
そこに中原が現れ、マキエは中原の自宅に保護されました。
中原はマキエに手を出さず、むしろ今まで働いた分の賃金を受け取ってほしいとマキエに伝えます。
中原の優しさに感激したマキエは、そのまま中原を押し倒したのでした。
波よ聞いてくれ【6巻】の感想。マキエがかわいい。
札幌から訪れた男性3名の活躍により、ミナレ達は無事監禁生活から解放されました。
しかしこのあたりの描写は、すでにラブコメではなくバトルもののような展開になっており、アクション漫画としても面白く読めます。
しかもミナレの身体能力は高く、自分よりも大きい男をすぐに倒してしまうくらい強いので、あまり不安感はありません。
そこが面白いポイントでもあります。
6巻後半からはマキエの半生の振り返りがあったり、過去から何とか脱出を試みようとするマキエの気持ちがよくわかるようになっていました。
マキエがひとりで外出するためにチェンソーを使用したり、本の中に隠された鍵を使用するなどはどれだけ凝っているんだ、と笑わせます。
実際にこんなお兄さんがいたらぞっとしますが、同じ職場で働き出されるというのも怖いものがあります。
そんなマキエのネタは劇中で読むことが出来ますが、かなり面白いものです。
台詞としてやりとりされている分でも十分笑えます。
ミナレのライバルとなるのかどうか。
しかし中原はミナレに一筋で、まったくマキエに恋愛感情を抱きません。
中原もマキエもとても一途なので応援したいのですが、間にミナレという扱いが難しい人物が入っているのでうまくいくのかは予想がつかない状態です。
そしてミナレはひきこもりを助けることが出来るのでしょうか。