竹書房の「WEBコミックガンマ」で連載中のつくしあきひと作「メイドインアビス」1巻のネタバレと感想のまとめです。
主人公で冒険家見習いのリコ、記憶喪失のロボット・レグが巨大な縦穴アビスの底を目指す旅を描いたファンタジー漫画として知られています。
愛らしい絵柄でありながらも、旅の困難さや命の儚さを描き、支持されています。
メイドインアビス【1巻】のあらすじとネタバレ
【探窟家見習いの少女リコと、謎のロボット・レグの旅が始まる】
人類最後の謎の秘境・アビス。
その縦穴のそばにある町・オースでは未来の探窟家を目指す子どもたちの孤児院「ベルチェロ孤児院」がありました。
孤児院に住む夢見がちな少女・リコはある日、ロボットであるレグを発見し孤児院へ帰還します。
意識を取り戻したレグは記憶喪失の状態で、自分の正体すらもわかりません。
そんなある日、リコの母である探窟家・ライザの「白笛」がアビスから引き上げられました。
少女リコと少年ロボット・レグの出会い
世界最後の謎、アビス。
アビスは南海の孤島に位置しており、いまだ人類によって解明されていない最後の秘境として知られていました。
アビスは深い縦穴で、その穴に挑んだ探窟家は数知れず。
しかし、その謎は解明されていません。
そのアビスのそばにある町、オース。
オースの孤児院の少女・リコは他の少年少女と同じように、将来はアビスの探窟家になるのが夢。
現在は見習いの「赤笛」ですが、いつかは探窟家の最高位「白笛」になろうと、夢見ています。
リコたちの面倒を見るベルチェロ孤児院では、子どもたちをアビスに行かせ、採集した遺物を売り払ってお金を稼いでいます。
リコと友達で男の子のナットやシギィも同様に、探窟家見習いとしてアビスの探窟を行うのでした。
ある日のアビスでの探窟の際、リコは友人ナットが巨大な怪獣・ベニクチナワに襲われていることに気づきます。
笛の音で怪獣の気をナットからそらしたものの、今度は自らが襲われることになったリコ。
行き止まりで逃げる先を失ったリコは、自分の命が終わりだと覚悟します。
その時、突如巨大な光が怪獣と木々を撃ち抜いたのです。
ベニクチナワは退散し、リコはその場に残されます。
意識を取り戻したナットと合流しようとしたとき、リコは遠くで誰かが倒れているのを発見しました。
急いでそばに寄るリコ。
倒れているのはひとりの少年でした。
しかし皮膚や肌触りから、人間ではないことがわかります。
リコはこうして、ロボットの少年・レグと出会ったのです。
リコはナットやシギィの協力を得て、孤児院にレグを運び込みます。
レグ、孤児院に入る
レグを目覚めさせたのは、リコとその友人たちでした。
あまりにも強い電力を送信されたレグは、びっくりして飛び上がります。
そして孤児院が停電してしまい、リコ達が騒いでいるところに、レグは起きたのでした。
リコは大喜びでレグにあらゆる質問をします。
しかし、レグには一切記憶がありませんでした。
しかも自分がロボットであることすら、理解していなかったのです。
停電のショックから、リコの部屋にリーダー・ジルオが訪れようとします。
日頃からいたずらをするリコをリーダーは厳しく見ていました。
今回の停電騒ぎもリコの仕業と見抜いたのです。
レグを見られては大変と慌てる一同。
ナットとシギィは別の部屋に身を隠し、リコだけが取り残されました。
リーダーは入室し、リコに何があったかを問い詰めます。
ちょうどそのとき、レグは自らの腕を伸ばして天井に隠れていました。
レグの能力に驚くリコ。
リコはリーダーに連れ去られてしまいましたが、レグは自分がロボであると確信します。
その後、レグは孤児としてベルチェロ孤児院に現れ、リーダーと対面し、無事孤児院に見習いとして住み込むことに成功しました。
アビスの遺物は国家間の力のバランスを変えるほど、強い能力を持つものがある場合があり、シギィの見立てではロボットはまだ遺物として発見されていません。
もしかするとレグは、「奈落の至宝(オーバード)」かもしれないのです。
それをごまかしたとなると、リコ達はただではすみません。
そのため、レグを仲間として孤児院に入居させたのでした。
リコの母、「白笛」ライザとその遺品
ある日、アビスの深界からハボルグというベテランの探窟家が戻ってくるという話がリコたちの耳に入りました。
ハボルグは、探窟家のベテラン「黒笛」の資格を持つ男性です。
リコとレグは早速、ハボルグに会いに行きます。
ハボルグは今回、探窟家の頂点である「白笛」を持って地上に上がったと言います。
「白笛」はこの世界には数人しか存在しておらず、誰のものかで町は色めきだっていました。
そしてハボルグが迎えられると、その手にあった「白笛」が見物客の目に触れます。
それは「殲滅卿・ライザ」の白笛でした。
それを聞いたリコは、動きが止まってしまいます。
何故ならライザこそ、リコの実母だからです。
後日、リコは正式にライザの「白笛」を受け取ります。
「白笛」は持ち主でなければ、能力を発揮できず、地上に戻らない探窟家の品物は家族が受け取るものとされていたのです。
とまどうリコですが、しっかりと「白笛」を抱きしめます。
後日、さらに遺品の公開があるので事務局から要請があり次第、来るようにリコは命じられました。
落ち込むリコを見て、リーダーは生前に会ったライザのことを話します。
そして、リコの出生についてもリーダーから説明がありました。
リコは、ライザがアビスの深層で出産した子だったのです。
ライザは本当であれば、その時は特級遺物の回収を行う予定でした。
しかし、ライザは国の命令ではなくリコを選んだのです。
さらにリコがメガネをかけている理由もリーダーによって教えられます。
リコは「呪い除け」の箱に入って地上に届けられました。
しかし、それでも呪いは避けられず目だけは守れなかったのです。
そのため今でもリコにはメガネが必要となり、ライザはそれを強く悔いていたと言います。
話を聞いたリコは、元気を取り戻します。
そして自分も必ず「白笛」になると誓うのでした。
「奈落の底で待つ」のメッセージ
リコは研究所から遺品を公開の告知を受けます。
浮かれるリコが心配なリーダーは、レグをリコに同伴させました。
ふたりは遺物のある研究所に向かいます。
そこにはライザが描いたと思われるアビスの怪物や、地図、メモなどが残されていました。
その中のひとつにリコとレグは目を奪われます。
そのメモは確かに、こう書かれていたのです。
「奈落の底で待つ」
研究所から戻ったリコは、ナットやシギィたちを集め、自分はライザの元に呼ばれていると明かします。
そのためにリコはアビスに潜ると言うのです。
ナットは危険だとリコに言い聞かせ、止めようとします。
しかしリコは話を聞きません。
黙っていたレグは、レグも一緒にリコとアビスに潜ると言い出します。
レグ自身の記憶を取り戻したいという気持ちが強かったのです。
喜ぶリコ。
しかしナットはいよいよへそを曲げてしまい、リコとは大げんかをしてしまうのでした。
シギィはレグに、改めてアビスの恐ろしさを説きます。
- アビスは潜るよりも、上昇の際が恐ろしいこと。負荷がかかり、上の層なら吐き気などで済むが、深い層になるにつれて、人間は必ず死んでしまう
- 「赤笛」が挑めるのは「1層」まで。「2層」からは、死亡と判断される
- 第6層からの旅は「絶界行(ラストダイブ)」と言われている。何故なら、上昇負荷が強すぎて人間は死亡してしまうから
レグはただ自分の強靭な肉体で降りれば良いと考えていたのですが、それではうまくいかないのです。
旅の辛さを思い知るふたりですが、やはり次の深夜にアビスへ向かう決心をします。
オースの町を離れ、アビスへ
旅の支度を整え、リコとレグは孤児院を離れます。
シギィは変装をして町はずれまで案内をしてくれるとのことでした。
ナットと和解していないリコを、レグは心配します。
深夜になって、レグは一番小さい孤児院の友・キユイに別れを告げに行きました。
レグはその時、リーダーとうっかり顔を合わせてしまいます。
なんとかごまかして、無事外に出ることが出来たレグは、リコ、そしてシギィと合流します。
町はずれまで案内してくれる人がいる、とシギィはとある人物を紹介します。
それは、ナットでした。
ナットは素直にリコに謝罪し、自分がかつて住んでいた町はずれの貧民窟を案内すると言います。
リコは大泣きしながら感謝し、ナットと和解します。
町はずれまで訪れた4人は、それぞれ別れの言葉を口にします。
ナットとリコは互いに泣き合い、「アビスで繋がっている」と友情を確かめました。
リコとレグは町はずれの断崖から、飛び降りていきました。
アビスへの冒険を開始したのです。
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感想。冒険の始まりは静か。ここからとんでもない旅が始まる!
メイドインアビス1巻は、設定の説明にも似ていて静かに始まり、終わります。
アビスに挑むことがいかに恐ろしいか、そして、これからリコとレグにはどんな冒険が待ち構えているのかを楽しみに読み進めていきましょう。
1巻は裏表紙に「電報の飛ばし方」が描いてあり、豆知識的な情報も得られるようになっています。
これからは料理メモなども入ってきます。
本の作りがとても楽しいので、実物を見てほしい作品でもあります。
さて、実はナットはリコのことを異性として意識しているのです。
ナットはリコにアビス行きを諦めてほしいあまり、ライザはすでに死んでいると発言してしまいます。
ですが、リコを無くしたくない気持ちは人一倍強いのです。
そのため、1巻ラストでは「言いたいのに言えない」様子を見せています。
このあたりはとても可愛らしいです。
甘酸っぱい感じがしますね。
リコのほうは元気すぎてあまり異性とは認識していないかもしれません……。
シギィは孤児院の院長室からアビスの見取り図を失敬していたり、リコたちの旅に積極的に関わりを持ちます。
実は一番のイタズラ好きであることは、リコがよく知っていました。
ナットとシギィ、そしてキユイ、ジルオは今後も少しずつ登場します。
もともとは絵本ネタだったという「メイドインアビス」は、町の様子や自然がとても美しく描かれています。
仕掛け絵本的なものを最初は考えていたという作者の話がありますので、そうなっていても面白かったかもしれません。
ですが今後のことを考えると、やっぱり今のような展開が望ましいと言えます。
1巻でストップせず、「メイドインアビス」はぜひ通しで3巻までは読んでみてほしいところです。
3巻になると何故これほど絶賛されているのか、理解できるようになりますよ!
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