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メイドインアビス【8巻】のネタバレと感想。ヴエコがかわいい!

竹書房の「WEBコミックガンマ」で連載中、つくしあきひと作「メイドインアビス」8巻を紹介します。

 

未知の大穴アビスに挑む少年少女たちの冒険ファンタジーで、美しい絵柄と奇妙な生き物たち、そしてハードな設定と生命のやりとりが人気です。

 

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メイドインアビス【8巻】のあらすじとネタバレ

【ヴエコが語る「成れ果て村」の真相、そしてファプタとは】

「成れ果て村」を作った三賢のかつての仲間、ヴエコ。

 

彼女はファプタが何者であるかを語るため、この村が何故ここにあるのかを語り始めます。

 

彼女と同じ、三賢だったというワズキャン、ベラフ。

彼らは決死の冒険隊「ガンジャ隊」として、アビスに訪れた普通の人間たちでした。

 

しかし、アビスとある少女と出会うことで、「ガンジャ隊」は大きく運命に翻弄されることになるのです。

 

決死隊「ガンジャ隊」、そして三賢たちとは

ヴエコが語る話。

それは村が出来る過去の話でした。

 

ヴエコは不幸な生まれで、幼い時に耳にした黄金郷を目指すためだけに生きてきた少女。

 

彼女は、同じく故郷を無くし行き場のない冒険家たちの「ガンジャ隊」に入ります。

 

「ガンジャ隊」の隊長はワズキャン。

彼はカリスマ的な魅力と予言の能力があり、ヴエコの入隊も予言したと言います。

 

その補佐がベラフです。

ベラフは知性があり、美しい男性です。

 

そしてヴエコ。

彼らは三賢と呼ばれる地位にありました。

 

ヴエコはある「羅針盤」を生まれた時から持っており、その「羅針盤」が正しく上下を示す位置にこそ、黄金郷があると言われていたのです。

 

「ガンジャ隊」はアビスの島にまでたどり着き、原住民と接触することになります。

 

原住民はヴエコの「羅針盤」をくれるなら、アビスの案内をしてもいいと申し出ました。

 

ヴエコは「羅針盤」を手放し、隊はアビス内を進むことを許されます。

 

ヴエコの宝物となる少女、イルミューイとの出会い

隊のひとりが、原住民の中の少女が付いてきたことに気づきます。

 

ベラフが彼女の入れ墨を調べると、この幼い子は子どもを生むことが出来ないため、大穴に捨てられるところでした。

 

自分と重ねたヴエコは、少女を助けるようにベラフと隊員に懇願し、願いは受け入れられます。

 

少女はアビス内についての知識があり、文字も読めたため「ガンジャ隊」はアビスの上昇負荷を知ります。

 

そして自分たちが求める「黄金郷」のために、ついに昇降機装置の使い方を調べ、現在の地まで降りることに成功したのでした。

 

装置を降りた彼らの前に現れたのは、ロボットの群れ。

隊員は警戒し彼らを縛り上げますが、ロボットはやがて全員の言葉を学び、語り始めました。

 

ロボットたちは「干渉器」。

新しい者や遺物があれば常にそれの知識を得ることが仕事だと言います。

 

ワズキャンとベラフは、干渉器を無害であると決め、拘束を解除しアビスの知識を得ていきます。

 

同じころ、原住民の少女はヴエコに心を開き自分の名前を教えるまでに仲が良くなっていました。

 

彼女の名はイルミューイ。

ヴエコの宝物となる少女です。

 

遺物「欲望の揺籃」が握るガンジャ隊の運命

水を探すため、平地の水場を探す一行。

干渉器と協力し、一枚岩の水場から水を得ることに成功しました。

 

ヴエコはイルミューイを可愛がり、イルミューイも「ヴエコがいい」と特に心を開いていました。

 

ヴエコは初めてここで、自分の宝物を得たと感じます。

しかし、アビスは平和な時間を持たせてくれませんでした。

 

隊員たちの体に異変が起きたのです。

隊員が突然高熱を出し、体の一部が溶けだしたかのように曲がり、固まってしまいます。

 

イルミューイもその奇病にかかってしまいました。

苦しむイルミューイの下痢から、異様な物体が含まれていることに気づいたヴエコ。

 

ワズキャン、ベラフと相談してみると、水状の芋虫が入っていることがわかりました。

 

水場は純粋な水ではなく、「水もどき」だったのです。

 

水と同じ外見をしているものの、次第に飲んだ者の体内を蝕み、やがて石化させるのでした。

 

別の水場を探しつつ、病人の世話を続けるヴエコ。

さらに隊の食糧確保班が異変を起こします。

 

内側から何かが飛び出したかのような姿のまま、班員は死んでしまったのです。

班員からは卵状の形をした遺物が発見されます。

 

干渉器はその遺物を知っていました。

それは「欲望の揺籃」だと言います。

 

願いを叶える卵だと。

 

しかし、大人の願いは複雑なので、願いが飛び散ってしまい、班員のように死んでしまうことがあるので、使いたいときは子どもがいい、と説明を受けました。

 

とっさにイルミューイのことを思うヴエコ。

ヴエコはワズキャンに、卵をイルミューイに使いたいと申し出ます。

 

干渉器もこれに賛成し、ワズキャンの許可を得たところでヴエコは卵をイルミューイの胸に当てたのでした。

 

変貌を遂げるイルミューイ、彼女の願いとは

卵を使用した翌日、ヴエコは自分を呼ぶ声で目が覚めました。

イルミューイが自分で起き上がったのです。

 

しかしその姿は明らかに異形のものでした。

 

イルミューイは脈も正常、空腹も解消されていましたが、腕が変形し枝状のように固まっていました。

 

全く痛くないというイルミューイですが、本当に回復したと言えるのか。

ワズキャンとベラフ、ヴエコは考えます。

 

しかし解決策は見つからず、願いが何であったかさえイルミューイ自身は覚えていません。

 

世話は最も信頼されているヴエコに任されました。

日々、体が変形していくイルミューイ。

 

イルミューイの願いを叶えるための体に変形しているのですが、ヴエコにはそれが痛々しく思えてなりません。

 

とうとうある日、大きな叫び声がイルミューイの寝床から響き渡ります。

駆け付けるヴエコ。

 

そこには、涙をいっぱいにためたイルミューイと、もうひとつの生き物の姿がありました。

「赤ちゃん」イルミューイはヴエコに嬉しそうに伝えます。

 

イルミューイの胸の卵から生まれたもの、それは小さい兎のような目も口もない生き物でした。

 

イルミューイの願い、それは赤ちゃんを生むことだったのです。

ヴエコはショックを受けつつも、イルミューイとその子の世話をします。

 

しかし子には食べる器官もなく、次の日には死んでしまいます。

子を喪い、絶望の声をあげるイルミューイ。

 

その姿をなぐさめ、弔ってあげようとヴエコは彼女を支えます。

しかし、また次の日イルミューイは同じように、子を生んでいました。

 

1日しか生きることの出来ない子を生み続けるイルミューイ。

子を喪うたびに泣き崩れ、ヴエコ自身もついに徒労と病から倒れてしまいました。

 

地獄で生きるガンジャ隊、そして辿り着いた場所

ヴエコにもついに「水もどき」の症状が現れます。

ベラフも感染してしまい、三賢の中で行動できるのはワズキャンのみとなりました。

 

横たわるヴエコのもとに、ある日香ばしいスープが差し出されます。

ひとくち飲んだヴエコはそのおいしさに感動しました。

 

その次の日、ヴエコは病床から起き上がることに成功し、ワズキャンのもとに駆け付けます。

 

効果はあったと喜ぶワズキャンですが、ヴエコは胸に嫌な予感を感じました。

 

ワズキャンは明るい声で言うのです。

皆にもふるまった、と。

 

ヴエコはその時、理解しました。

あの香ばしいスープ、あの材料はイルミューイの子だったのです。

 

同じスープを口にしたベラフは、罪の意識で自我を崩壊させてしまいました。

 

ヴエコがワズキャンとともにイルミューイの部屋に入ると、イルミューイはすでに言葉を話すことも出来ず、不自然なほど巨大化していました。

 

子はやはり1日以上生きることは出来ず、その子を材料にしてスープを作ったのです。

 

さらに生まれたての子を使うことで、水もどきの症状が改善するため、ワズキャンは生まれたての子をイルミューイからすぐに取り上げ調理します。

 

子を取られ、喰われ、絶望して鳴き声をあげるイルミューイ。

ヴエコは彼女と自分の苦しみを思い、共に死のうとします。

 

しかしイルミューイはヴエコを愛おしそうに抱きしめるのです。

ひたすらイルミューイの子を食糧として生きていくガンジャ隊。

 

本当にこれが彼女の願いなのかとヴエコは疑います。

 

世話をしている最中、ヴエコはイルミューイの胸の部分に「欲望の揺籃」が割れずに残っていることに気づきます。

 

それに気づいたワズキャンはヴエコに説明します。

ヴエコが倒れたときに同じくイルミューイも弱っていったと。

 

そのため、干渉器に遺物を捜索させ、もうひとつ彼女に卵を与えたのだ、と。

混乱するヴエコ。

 

彼女の願いはまだ、果たされていなかったのです。

ヴエコのショックに呼応したイルミューイは、突然移動を始めました。

 

巨大な身体となったイルミューイは、塔のようにそびえ、アビスの中心に向かっていきます。

 

広場で停止したイルミューイは、アビスの生き物を捕食し始めました。

 

その姿を見たベラフは、罪深い自分自身を食べてほしい、とイルミューイに訴えます。

 

イルミューイの胸であった部分が開き、ベラフはその中に入っていきました。

途端に身体はバラバラになり、ベラフは美しい蛇のような身体と「成れ果て」たのです。

 

ガンジャ隊の求めていた黄金郷はここにある、とワズキャンは宣言します。

 

生き残りの隊員たちは、ワズキャンとヴエコを残して全員イルミューイの中に入っていきました。

 

ヴエコはワズキャンに抵抗し、自ら身を投げようとしましたが、とっさのところでワズキャンに助けられました。

 

ヴエコはその時、彼の身体の半分が崩れているのを目撃したのです。

ワズキャンも「欲望の揺籃」を使っていたのです。

 

……暗闇の中で目覚めたヴエコ。

彼女はすでに黒い物質が溢れる部屋に繋がれていました。

 

ヒトの姿を捨てたワズキャンがヴエコの前に現れます。

 

ヴエコはイルミューイの思考そのものが伝わる場所で、この様子を見ていると良いとワズキャンは言い残し、立ち去ります。

 

部屋を埋める黒い物質はイルミューイの生まれてくるはずだった子どもたちです。

生まれることのなかった命を永遠にあやしつつ、ヴエコは生きてきました。

 

イルミューイ最期の願い=ファプタの誕生

ワズキャンたちやアビスの外の命と価値を吸い続けるイルミューイは、ついに残っていた卵を孵化させることに成功します。

 

イルミューイの体からわざわざ排出され、卵から生まれたもの。

それが「価値の化身」であるファプタでした。

 

ファプタは寄ろうとする干渉器たちを全て破壊し、村をあとにします。

 

ヴエコは言います。

 

ファプタの願い、それは自分の母を傷つけた者全員を殺すことだと。

 

話を聞き続けていたリコ一同は唖然としますが、リコは何とかファプタを止める方法はないかをヴエコに尋ねます。

 

しかしヴエコにはその方法が思いつきません。

 

ファプタは村を出たあと、遠い昔に壊れた一台の干渉器から言葉や知恵を教えてもらいます。

 

そして彼女は、いつかこの村を、そして住民を殺すことを決意するのです。

 

感想【ストーリーは壮絶だけどヴエコはかわいい】

【壮絶すぎる成れ果て村の生い立ち、そしてあのスープ】

冒頭でヴエコが持つ「羅針盤」。

 

実はこれはリコが孤児院で「星の羅針盤」と命名していた遺物と同じものです。

 

原住民が欲しがるほどの遺物ですから、もしかするとアビスの場所を示すだけではなく、凄い力を秘めているのかもしれません。

 

「欲望の揺籃」については、解釈が難しい部分があります。

 

確実であるのは、ひとつめの卵はイルミューイの「子どもがほしい」という願いを叶えたということです。

 

子どもが小さい兎のような形をしているのは、一時期ヴエコとイルミューイがアビスでの生活に同じような生き物を飼育していたからと推測出来ます。

 

あいにく、その生き物は外敵に捕食されてしまいましたが、そのイメージが強かったのでしょう。

 

キーパーソンとなるワズキャンは予言や先見の力がありますが、ファプタのことだけはわからなかったと発言しています。

 

イルミューイは誰にも見つからないように、ファプタを育てたのです。

今回のキーパーソンはヴエコでもあり、ワズキャンでもあります。

 

特にワズキャンは未来を予見する力があるので、終盤ではヴエコよりもイルミューイの行動を理解しているように感じられます。

 

そして何よりも、あのスープを作ると決めた人物です。

冒険家としてはかなりの人物だと思われますが、最もファプタの怒りを買いそうです。

 

ベラフは非常に人格者で、序盤ではよく自信を喪失するヴエコを励ましたりしています。

 

その高潔な人格が、悲劇を招くことになりました。

「成れ果て村」の人々を良く見てみると、何名かはガンジャ隊の名残を残しています。

 

細かいところに凝っているのも、作品の魅力のひとつではないでしょうか。

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