本記事では、アニメ『銀河英雄伝説』の新旧の違いについて触れてみたいと思います。
新旧の大きな違いとしては、「制作会社、キャラクターボイス、放送回数」の3つとなっています。
本文ではこの3つについて比較しながら深堀りしていきたいと思います。
また、これから見る人には新旧『銀河英雄伝説』のどちらがおすすめなのか?もお伝えしていきますね。
『銀河英雄伝説』新旧アニメの違いについて
アニメ「銀河英雄伝説」は旧版と新板がありますが、それぞれの違いについては主に以下の通り。
- 制作会社
- 放送回数
- キャラクターCV
制作会社の違いについては本文をご参照ください。
放送回数については、旧版「銀河英雄伝説」は4シーズン・全話110話でした。
新板「銀河英雄伝説」は2シーズンでまだ未完結となっています。
本筋のストーリーについては違いはなく、新・銀河英雄伝説では、旧版の内容がより丁寧に描かれています。
アニメ「銀河英雄伝説」ストーリーの起源はSF小説
まず大前提として、「銀河英雄伝説」は1982年に出版された田中芳樹氏の小説「銀河英雄伝説」が原作となっています。
田中芳樹氏は「アルスラーン戦記」や「創竜伝」などを執筆した、有名作家ですね。
中国史に対して造詣が深く、「銀英伝」でも所々でその影響が見られます。
全10冊で小説「銀河英雄伝説」は終了し、この年が1987年です。(そして、以後こちらは「本伝」と呼ばれるようになります)
旧作「銀河英雄伝説」は通称「石黒版」と呼ばれている
アニメ版「銀河英雄伝説」は小説が完結した翌年、1988年に制作が開始されました。
当時はOVAとしてリリースされ、なんと全110話という大ボリュームでした!
以後、総監督・石黒昇氏の名前を取って「石黒版」と呼ばれるようになります。
当初はテレビアニメ用に制作されたものの、実現することがなかったためVHSでの販売もしくはレンタルシリーズとしての視聴のみ可能だったのです。
1話2,500円という高額設定でしたが売れ行きはすさまじく、無事全110話を制作することが出来ました。
2001年からはDVDBOXでの販売が開始され、手頃な価格となりより愛好家を増やすことになります。
アニメ制作の際に原作ファンから「本当に細部まで作ることが出来るのか」という疑問が多く投げかけられたため、総監督自身が「じゃあ全部作る!」という気合を見せ、全10冊の小説を110話・4クールで収めたという当時にしてはかなり前衛的な試みだったようです。
制作は株式会社キティフィルムが手がけています。
当時は「うる星やつら」「めぞん一刻」「らんま1/2」などを手掛けている会社で、非常にレベルが高いことで知られていました。
補記として、「銀河英雄伝説」本伝以外にも田中芳樹氏は外伝を1984年からいくつか出版しており、こちらももちろんOVA化されています。外伝は全4巻に渡り、OVA版では11本のストーリーとしてまとめられました。
新「銀河英雄伝説」は通称「ノイエ」と呼ばれている
2018年に「石黒版」から新たに、より原作に忠実な「銀河英雄伝説」が開始されました。
それが「銀河英雄伝説 Die Neue These ディ・ノイエ・テーゼ」です。
「Die Neue These」はドイツ語で「新訳・新編」という意味ですから、製作陣の気合を感じます。
制作会社はプロダクションIGが担当、「サイコパス」などでおなじみの会社です。
そのため戦艦や宇宙テクノロジー描写は、「石黒版」をはるかに凌ぐ表現となっています。
「石黒版」とはあえて一新させるということで、声優を含め当時のスタッフは参加していないという特徴が見られます。
ただし「石黒版」制作に関わった3社は現在も加わっているようです。
こちらは第1期を2018年に、第2期を2019年に放映しています。
「銀河英雄伝説」はファンが非常に多いので、2期のテレビ放映前には全国劇場でイベント上映も行われました。
第2期アニメ終了時に「続編制作決定」の報が出ましたので、放送時期は未定ながらも3期が期待されます。
「石黒版」が全4期でしたので、大まかなストーリーラインを崩すことなく、より原作寄りの作品が期待されることでしょう。
ファンからは「ノイエ」「ノイエ銀英伝」と呼ばれています。
新旧・銀河英雄伝説でストーリーの違いはある?
どちらもストーリーに大きな違いはありません。
基本設定は宇宙戦争「銀河帝国」対「自由惑星同盟」となっています。
遠い未来、宇宙は2大勢力が150年もの間戦争を繰り広げていました。
貴族と皇帝が支配する「銀河帝国」、そしてもうひとつが自由と民主主義を掲げる「自由惑星同盟」です。
「銀河帝国」にはついに「常勝の天才」と呼ばれる若き皇帝ラインハルト・フォン・ローエングラムが戦陣に立ちます。
対する「自由惑星同盟」には「不敗の魔術師」の軍師・ヤン・ウェンリーが圧倒的不利な条件の中、帝国と互角・あるいはそれ以上の戦いを繰り広げるのです。
石黒版「銀河英雄伝説」は全4シーズン、「銀河英雄伝説ノイエ」は現在2シーズン
旧・銀河英雄伝説(石黒版)は原作に忠実に制作されましたが、小説を完全再現というわけではなく、所々で登場する人物を変更したり、時系列を入れ替えるなどを行っています。
これは小説の書き言葉を話し言葉に変えることや、アニメの展開として見やすくするためです。
この試みがあっても、そのイメージは原作通りであったことから、小説版からのファンも納得の作品となりました。
- 1期は帝国軍にラインハルトが登場し、その親友であるキルヒアイスが倒れるまで。
- 2期は自由惑星同盟のヤンと帝国軍のラインハルトがついに直接対決、そしてラインハルトが危機を迎えるまでとなっています。
- 3期はなんと!驚きの自由惑星同盟ヤン・ウェンリー死亡までを。
- 4期は皇帝となったラインハルトが死去するまでと言う、原作と同じ終わりを遂げます。
新・銀河英雄伝説(ノイエ)では1期の内容がボリュームアップしており、ヤンの幼少期から士官学校時代までが描かれ、ラインハルトの幼年時代も丁寧な描写が施されています。
1期シーズンあたり全12話ですから、「石黒版」と比較するとやや遅い展開になるのです。
1期の始まりのストーリーはほぼ「石黒版」と同じですが、それぞれふたりの主人公の幼少時代が描かれたあと、ヤンの士官学校時代が挿入されます。
1期最後は帝国軍艦隊からヤン率いる第13艦隊がアムリッツァという星海まで赴くところで終了。
2期はアムリッツアから始まり、帝国軍ラインハルトの親友であり半身・キルヒアイスが死亡したところで終わりを迎えます。
旧・銀河英雄伝説(石黒版)1期を、新・銀河英雄伝説(ノイエ)では2期に分割して話を進めている形です。
新旧「銀河英雄伝説」キャラCVの違いは?
どちらの銀河英雄伝説も声優陣はかなり豪華です。
旧版・新板どちらも見ごたえあること間違いありません。
旧・銀河英雄伝説「石黒版」は「銀河声優伝説」級!
「石黒版」はファンの間から「銀河“声優”伝説」と呼ばれるほど、多数の声優を使用しています。
これはキャラクターの個性を声に持たせたいという監督の意向によるもので、田中芳樹氏の直接指名の声優もいます。
たとえば、軟派な性格の自由惑星同盟パイロット・ポプランは古川登志夫氏が声を担当しています。
これは古川氏が「うる星やつら」の“諸星あたる”を演じていたため、「軟派な性格なら彼!」と監督と田中氏が指名したと言われています。
80年代を代表する声優はもちろん、若き日の有名声優さんがクレジットで出演していることもあり、非常に見ものです。
帝国軍
- ラインハルト:堀川亮(アンドロメダ瞬・ベジータ・コウウラキ・服部平次など)
- キルヒアイス:広中雅史(日テレ系特番ナレーション)
- ミッターマイヤー:森功司(009島村ジョー・タイガーマスク・速水真澄)
- ロイエンタール:若本規夫(アナゴさん・セル・織田信長)
自由惑星同盟
- ヤン・ウェンリー:富山敬(矢吹丈・古代進・初代さくら友蔵)
- ユリアン・ミンツ:佐々木望(水滸のシン・浦飯幽助・大空翼)
この他端役に古谷徹、池田秀一など豪華メンバーが参戦しています。
新・銀河英雄伝説「ノイエ」は声優の演技が凄すぎる
「銀英伝ノイエ」は声に関しては「石黒版」に準拠しています。
その代わりキャラクターの外見や制服などは「石黒版」とは全く異なっていますので、声だけはある程度似せてあるのです。
そのため旧作ファンも声からキャラクターを推測することが出来ます。
ここでぜひ書いておきたいのは、ラインハルト演じる宮野真守が凄い!ということです。
第2期では帝国軍・ラインハルトの親友キルヒアイスが死亡するシーンがあります。
ラインハルトはその哀しみに耐えることが出来ないという表現があるのですが、あまりに感情移入してしまい、スタッフが感動してその後該当シーン差し替えとなったのです。
声優の演技が絵を超えてしまったのですね。
このシーンは必見です。
帝国軍
- ラインハルト:宮野真守(夜神月・刹那Fセイエイ・太宰治)
- キルヒアイス:梅原裕一郎(ゴブリンスレイヤー・草摩紅野)
- ミッターマイヤー:小野大輔(セバスチャン・平和島静雄・緑間真太郎)
- ロイエンタール:中村悠一(早乙女アルト・島津豊久・カラ松)
自由惑星同盟
- ヤン・ウェンリー:鈴村健一(若林源三・シン・アスカ・伊黒小芭内)
- ユリアン・ミンツ:梶裕貴(エレン・イェーガー・メリオダス・錆兎)
今最も人気のある声優ラインナップで行われています。
非常に豪華です。豪華すぎてギャラが心配になります。
銀河英雄伝説を未視聴の人にオススメなのはどっち?
これはもし視聴環境が整うのなら、旧・銀河英雄伝説(石黒版)をおすすめします。
理由は「銀英伝ノイエ」であっても、この「石黒版」に立脚しているからです。
声優は旧版に寄せていますし、場面によっては全く同じようにカットが制作されています。
ただし「石黒版」は何らかの放送サービスに加入するか、レンタルなどをしなければ見ることが難しいでしょう。
しかも110話あります。ファンでも正直、110話を全て見通すのは体力が必要です。
視聴環境がなければ、新・銀河英雄伝説(ノイエ)でも良いでしょう。
ただし、グッズなどは圧倒的に「石黒版」が多く、古参は「石黒版」を好む傾向にあります。
- 「古いアニメは受け付けられない」
- 「110話も見ていられない」
という方は「ノイエ」で問題ないのではないでしょうか。
未視聴のあなたへの注意事項
「銀河英雄伝説」は、悪人と善人が「外見で判断できる」という特徴があります。
「石黒版」でイケメンであれば、それは大体いいヤツです。
見た目が悪いと大体悪人となります。
これをさらに増幅させているのが「銀英伝ノイエ」です。
正直、「石黒版」で育ったファンは驚きました。
特にヤンなどは原作では「見ようによってはハンサム?」という位置なので、美形ではないという意見も多かったのです。
キャラクターデザインが、アニメ「黒子のバスケ」のキャラデザ担当者のためか、どこか全員バスケットが上手いようにも見えます。
そのため「ノイエ」から入ると、「石黒版」を見たときに誰が誰なのかわかりません。
さらにイケメンの少なさに絶望することが考えられます。
ショックを和らげたいのであれば、「石黒版」である程度慣れておくと良いでしょう。
新旧どちらも視聴できる配信サービスについて
新旧「銀河英雄伝説」どちらも視聴できるのは、以下の2つとなっています。
広告なし・全話高画質のフル動画ですぐに見ることができます。
どちらも本来有料の動画配信サービスですが、無料お試し期間があるので、その期間は動画が見放題となっています!
他の配信サービスの配信状況については以下の表をご覧ください。
見えない場合はスクロール→
サービス名 | 旧・銀河英雄伝説 | 新・銀河英雄伝説 | 無料期間 月額料金(税込) |
![]() U-NEXT |
○ |
○ | 31日間 ¥2,189 |
![]() dアニメストア |
○ | ○ | 31日間 ¥440 |
![]() アマゾンプライムビデオ |
○ | 別途有料 | 30日間 ¥500 |
![]() FODプレミアム |
配信なし | ○ | 2週間 ¥980 |
![]() |
ポイント制 | ポイント制 | 30日間 ¥550〜 |
![]() TSUTAYA TV/DISCAS |
配信なし | ○ | 30日間 ¥1,026〜 |
![]() Hulu |
配信なし | ○ | 2週間 ¥1,026 |
![]() netflix |
配信なし | ○ | なし ¥880〜 |
![]() |
配信なし | 配信なし | 14日間 ¥990〜 |
(※タイミングによっては掲載情報が変わっている場合があります)
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