ビッグコミックスピリッツ系雑誌で連載された林田球・作「ドロヘドロ」5巻のネタバレと感想の紹介です。
記憶喪失でトカゲ頭の男・カイマンが自分の本当の姿を取り戻すまでを描く、ダークファンタジーで個性的な登場人物や舞台設定に人気があります。
前回の話:ドロヘドロ【4巻】のネタバレと感想。心の切ない過去と鳥太のレアな魔法!
ドロヘドロ【5巻】のあらすじとネタバレ
【魔法使いの世界、ブルーナイト開催】
ホールを後にしたカイマンは、ひょんなことから「レストラン丹波」で住み込みの仕事をすることに。
魔法使いの世界では、自分のパートナーを決める「ブルーナイト」が開催され、煙ファミリーの魔法使いたちもそれぞれの思いを胸に秘めて参加します。
一方、ホールに残されたニカイドウは、仲間にある秘密を打ち明ける決心をします。
魔法の国のカイマン、就職する!
魔法使いの世界に来たものの、家もカネも無いカイマン。
途方に暮れていたところ、街角で物騒な風景を目にします。
どうやら男が拉致されかかっているようです。
それを止める巨大な男が現れます。
「社長」と呼ばれる巨漢の男は、次々と悪者を倒していきますが、ナイフ使いの悪者が死角から襲い掛かります。
そこを助けたのは、カイマンでした。
悪者たちが去り、男からお礼を言われるカイマン。
「社長」と呼ばれる男のレストランに向かい、特製のパイをごちそうになります。
身の上を聞かれたカイマンは、「自分は魔法事故に遭って記憶喪失になり、仕事と住む場所を探している」ことを伝えると、巨漢の男はここで働けばいいと提案してくれました。
ここは「レストラン丹波」で拉致されそうになっていたのはウェイターの福山、巨漢の男は社長の丹波、奥でじっとしている女性店員がキリオン、と紹介されます。
カイマンはこうして住処と仕事を手に入れることに成功したのです。
ブルーナイトでザワつく、魔法使いたち
煙の屋敷でも「ブルーナイト」の準備が行われます。
「ブルーナイト」とは
- 4年に1度の魔法使いのパーティー
- 「ブルーナイト」の期間は3日間
- 「ブルーナイト」期間中に、空中にある「黒い家」へ希望の相手と向かい、お互いが契約書にサインすることで、パートナー成立となる
- 優秀な魔法使いなどは、この期間前や期間中に拉致されたりすることも。つまり、どんな手段を使ってでも契約さえすればパートナーとして認められる
このようなパーティーです。
煙たちはこの日のために特別衣装を注文。
その際に煙は部下から、ある店で「時の魔法使い」のデータが見つかったと報告を受けます。
一方、優秀な魔法使いである心や能井のもとには、パートナー応募者の用紙が届けられます。
その中に古くからの因縁を持つ輩が存在しました。
どちらも心と能井につきまとい、無理やりパートナーにするつもりです。
心と能井は互いに注意を促します。
そして迎えた「ブルーナイト」前夜、派手な前夜祭が行われます。
能井は不慣れなヒールのせいで歩けず、もし敵襲があるなら危ないと判断し、女性トイレで靴を脱ごうとしました。
その時、能井目掛けてケムリが放たれ、爆発音が響きます。
能井を狙う魔法使い「爆」です。
「爆」は能井を「魔法が効かない箱」に閉じ込め、ホウキで連れ去ってしまいます。
この現場を見ていたのは、カイマンでした。
カイマンは福山のパーティー参加につきそう丹波社長とキリオンの代わりに店番を頼まれていたのですが、栗鼠が現れるかもしれない「ブルーナイト」に変装して侵入したのです。
さらにカイマンの目の前に、能井の異変を感じた心がやってきます。
破壊された周辺を見て、敵がいると察する心。そんな心を無数の注射針が襲います。
心を狙う魔法使い「薬」です。
注射針のひとつに刺された心は、睡眠薬の効果で眠ってしまいます。
これも「薬」に連れ去られ、カイマンが現場を目撃していました。
爆と薬はどちらも立ち去り際にホウキでカイマンの頭にぶつかり、因縁をかけられていたのです。
怒り心頭のカイマンでしたが、そこに丹波社長が現れます。
留守番をしていないカイマンをしっかり説教する丹波社長。カイマンは福山に空腹を訴え、福山は屋台にある餃子を勧めます。
餃子を食べようとしたところに、再び爆と薬が現れます。
薬がカイマンに再度ぶつかってしまったため、餃子が地面に落ちてしまいました。
何度も同じことをされたカイマンは怒り、ケンカとなります。
爆が魔法を使ったため、カイマンは一瞬ひるみますがそこで丹波社長が登場!
「ウチの店員に何しやがる!」と怒り、爆を殴りつけます。
キリオンもパイを投げて参加し、屋台から包丁を借りたカイマンが爆にとどめを刺しました。
それを見た薬は、とっさにカイマンに銃を向けます。
しかし福山がそれに気づき、カイマンをかばうため魔法を発動!
福山の魔法、それは「すべてをパイに変える魔法」。
薬は巨大ミートパイと化し、無事に騒動が収まりました。
復活の能井、そして栗鼠の行方
栗鼠は義体のケムリ切れを防ぐため、「ブルーナイト」会場に忍び込みケムリ保管庫で義体のケムリを充填させようとします。
保管庫に侵入した栗鼠は、巨大な箱の鍵が破壊されているのを発見、中身を確認するために箱の扉を開けました。
すると、途端にケムリが立ち上り栗鼠を包み込みます!
中から現れたのは、爆によって閉じ込められた能井でした。
能井の魔法によって義体は取れ、栗鼠は思いがけず自分の肉体を復活させることが出来たのです。
栗鼠はそのまま保管庫から逃亡し、屋台で衣類を購入し変装します。
会川を探し続ける栗鼠は、パイの行商をしているトカゲ男を見かけます。
カイマンも一瞬、栗鼠を見つめますがお互い存在に気づくことなく、すれ違ってしまいました。
そして煙の屋敷では、ついに煙がニカイドウの写真を手に入れました。
ニカイドウが栗鼠を連れ去ろうとした女性であることを覚えていた煙は、ある方法を使用することにします。
強すぎるキノコ!ニカイドウたちが捕まる!
ホールでは、「空腹虫」でバウクス先生誕生会が行われていました。
ニカイドウ、バウクス先生、サーティーン、そしてカスカベ博士とジョンソンの前で、ニカイドウは魔法使いの世界に行こうと思うと打ち明けます。
そして自分は魔法使いであることも告白しました。
その時、ニカイドウの背中に鋭い痛みが走ります。
それはニカイドウの服を突き破り、出現しました。巨大なキノコです。
しかも今回はニカイドウから分離し、キノコの怪人として彼らを襲います。
キノコ怪人の目は煙に通じており、煙はニカイドウを発見し喜びます。
バウクス先生がキノコにされ、ジョンソンも片足がキノコとなってしまい、大ピンチを迎えたニカイドウ。
決心した彼女は隠してあった魔法使いのマスクを装着し、キノコ怪人と戦います。
力がアップしたニカイドウの前に、キノコ怪人は倒れ無事に危機を回避できたと思った一同でしたが、突如床に巨大なドアが出現し、その場の全員を飲み込んでしまいます。
落ちた先、そこは煙のいる広間でした。「ようこそ、二階堂」と煙は歓迎します。
感想。心と能井がパートナーになったきっかけ
【なんでもありのブルーナイト、無事で過ごせるわけがなかった】
ブルーナイトの期間中に藤田が鳥太と煙に、心と能井が何故パートナーとなったのかを質問します。
ここからは過去回想となりますが、人気のエピソードとしても知られている部分です。
ちょうど煙が全国に「花煙」というラーメン店を展開していた時、煙のいとこの能井が「花煙」に向かうと、食い逃げをする心と出会います。
能井に見つかった心は、魔法で勝負しろと言いますが、能井はあくまで肉弾戦を要求。
その要求を通すために、能井は心のズタズタの腕を魔法で修復します。
自分の魔法は治療系なので、魔法勝負は出来ないと示した能井ですが、心は「いつか礼はする」と言い、逃げ去ります。
その後、の「掃除屋」として雇われた心は、能井と再会。その時能井は悪魔試験を受けており、1年間魔法を使ってはいけないと言い渡されます。
しばらくして心と能井は「花煙」で偶然出会い、食事を共にしていました。
しかし突如店が爆発に見舞われます。爆と薬が現れたのです。
魔法の使えない能井をかばい、爆の魔法による不意打ちを浴びた心。心の傷は致命傷でした。
心は「いつか礼をする」ことを、ここで返すと能井に告げます。
能井が魔法を使えば、心は助かるでしょう。
しかし悪魔試験は無効となり、今までの苦労は全て消えてしまいます。
……しかし、能井は心を助けることを選び、魔法を使ったのです。
助かった心は能井の悪魔試験を邪魔したと深く落ち込みます。
その時、煙から「掃除屋の新人」を紹介されます。
「掃除屋の新人」は元気に挨拶をします。
「よろしく!先輩」それは、能井でした。
ふたりの絆が強いのはこうした事情があったのです。
このペアが人気の理由も、この絆の強さがあってこそかもしれません。
ちなみにこの事件について煙は、能井がファミリーになったから俺としてはラッキーだったと言っています。
能井は銀髪で赤い目の美女で、巨乳です。
煙ファミリーの衣装合わせの際、エビスは能井のバストに嫉妬し、何故か特注のシリコンを依頼、自分のドレスに着用し巨乳としてセクシーダンスを披露するなど、コメディーリリーフとして安定の動きを見せています。
ニカイドウの「魔法使いのマスク」は、心の心臓マスクや鳥太の鳥マスクと同じものです。
上級の魔法使いは特別に悪魔にマスクを作ってもらうことが出来ます。
それを被ることで、パワーアップすることが出来るのです。
ニカイドウのマスクを作ったのは、アスという悪魔で、栗鼠の居場所を前回教えた悪魔です。
さて、煙に捕らわれたニカイドウは脱出できるのでしょうか。