ビックコミックスピリッツ系雑誌で連載された、林田球・作「ドロヘドロ」3巻の紹介です。
頭部がトカゲの男・カイマンが自分の姿を取り戻すまでを描くダークファンタジー漫画として知られています。
カイマンを取り巻く個性的なキャラクターや入り組んだ世界設定も人気です。
前回の話:ドロヘドロ【2巻】のネタバレと感想。口の中の男の正体が気になる!
ドロヘドロ【3巻】のあらすじとネタバレ
【カイマン、魔法使いの世界へ】
カスカベ博士の屋敷で魔法使いの世界への扉を見つけたカイマンとニカイドウは、カイマンの本当の姿を探すため、魔法使いの町へ繰り出します。
カイマンの記憶にある路地裏の大男と背格好が似ている魔法使いを手始めに探すことにした2人は、偶然心と能井の仕事現場に出くわしてしまうのでした。
煙、「命を与える魔法使い」を奪う!
魔法使いの町の屋敷で、パーティーが行われます。
煙と心・能井、そして恵比寿が参加するこのパーティーは、「命を与える魔法使い」が参加し、魔法を披露するパーティーです。
魔法使いの世界でも「生命」・「修復」・「時間」を扱う魔法はとても貴重なもので、ボスである煙は常にこれらの魔法を使う者を探していました。
パーティーで死体を蘇らせた魔法使いを本物だと信じた煙。彼は、「命を与える魔法使い」を自分のパートナーにすべく、心と能井に「命を与える魔法使い」の現・パートナーの抹殺を指示します。
見事なコンビネーションでパートナーを殺害した心と能井。
煙は無事に「命を与える魔法使い」を手に入れますが、その魔法使いの口元に「黒い粉」がついているのを発見し、逆上してしまいます。
さらに、実際に魔法を使っていたのは女性の魔法使いではなく、犬のような生き物でした。
煙はこの動物に「キクラゲ」と名前をつけて、以後可愛がるようになります。
キクラゲは煙と何故か恵比寿にも懐き、白い煙で命を蘇らせるのです。
その能力はまず、「口の中の男」の生首に使われたのでした。
カイマン達は魔法使いの世界へ向かう!
バウクス先生の依頼で、ホールにいる魔法使い研究の第一人者カスカベ博士のもとを訪れることになった、カイマンとニカイドウ。
カスカベ博士は変人で魔法使いに関心が非常に強く、ついに魔法使いの肉片で「ドア」を作ることに成功しました。
魔法使いの世界へ行けることになったカイマンたちは覆面で変装をし、カスカベ博士のドアを使って、魔法使いの世界へ向かいます。
ふたりはそこで、カイマンや「口の中の男」と同じように目に十字模様を入れている男を見かけます。
目の十字模様で何かわかるかもしれない、とカイマン達は男を尾行しますが、男はビル内に立ち入ると全く出てきません。
実はこの時、心と能井は十字目のグループと接触をはかり、十字目組織のボスが誰なのかを探っていたのです。
しかし、すでに十字目グループは心と能井が、煙ファミリーの「掃除屋」であることを知っていました。
その結果、心・能井VS十字目組織となったのです。
心と能井はその部屋にいる全員を殺し、ひとりだけ拷問用として連れ帰ります。
それと入れ替わりで、カイマン達が部屋に侵入。
十字目組織が全員殺されていることを発見しました。
その死体を見ていたカイマンは、頭の中に「栗鼠」という単語が思い出されました。
「栗鼠」という名前の男が、カイマンの何かを知っているはずと知り、ニカイドウとカイマンは翌日別々に「栗鼠」という男の捜索に向かいます。
ニカイドウ、煙の屋敷に侵入!
実は魔法使いであるニカイドウは、自分の魔法を魔法屋で販売するフリをして、大金を得ます。
その大金を使って、ニカイドウは自分と仲の良い悪魔・アスを呼び出しました。
アスによって「栗鼠」は今、煙のもとにいる、と教えられたニカイドウは、単身で栗鼠を捕獲するために、煙の屋敷に侵入します。
一方、キクラゲの魔法によって復活した栗鼠は、首から下の義体を手に入れました。
煙たちが質問をするも、栗鼠の記憶はほとんど無く、「自分が殺された」ことしか覚えていません。
じれったい思いをする煙たちの屋敷に、ニカイドウが侵入。
栗鼠を奪おうとするものの、煙に気づかれて阻止されてしまいました。
煙の魔法によって、ニカイドウは巨大なキノコを背中に埋め込まれてしまいます。
ですが、捕獲される前にドアを使用したニカイドウは、無事にカイマンとの隠れ家に戻ってくることに成功しました。
感想。ニカイドウの魔法と十字目の秘密が気になる!
【可愛いキクラゲの登場!そしてニカイドウが大活躍】
魔法使いは人間と身体のつくりが異なります。
キクラゲの「命を与える魔法」は、詳しく説明すると魔法使いが持っている、頭部内の悪魔の形をした腫瘍を復活させる魔法です。
これは「悪魔腫瘍」といい、悪魔腫瘍が損傷すると魔法使いは死亡します。
さらに、通常の魔法は黒い煙が使われますが、キクラゲの魔法のみは白い煙で描かれています。
ここからもキクラゲの特殊性が理解出来ます。
さらに、煙が「黒い粉」を見て怒るのは、「黒い粉」がいわゆる魔法のドーピング剤であるためです。
「黒い粉」は依存性があるものの、使用後は一定時間魔法の効力がアップします。
しかし、煙や心など本来の魔法が強いものにとって「黒い粉」は邪道です。
そのため、使用者を蔑む傾向があるのです。
さらに、劇中でも話が出ているように、煙は「十字目」を執拗に狙っています。
「十字目」にはどのような秘密があるのでしょう。
ニカイドウがカイマンと別行動をとったのは、理由があります。
早く顔を取り戻すなら、自分が動くしかないとニカイドウは考え、魔法使いの力を使っているのです。
魔法使いの世界において、悪魔はスーパーエリート魔法使いとなります。
そのため、自分と知り合いのアスなら手助けを頼めると考えたのでした。
しかし、単身で煙の屋敷に乗り込むのはかなりの無茶といえるでしょう。
しかも背中には、巨大キノコを植え付けられてしまいました。
ニカイドウの魔法とはどんなものか、そして煙からカイマン達は逃げ切ることが出来るのか。
多くの謎を残して、3巻は終了します。