ビックコミックスピリッツ系列雑誌で連載された「ドロヘドロ」21巻の紹介です。
主人公・トカゲ頭のカイマンが自分の本当の姿を取り戻すダークファンタジーとして人気があります。
カイマン以外の個性的なキャラクターにも注目です。
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ドロヘドロ【21巻】のあらすじとネタバレ
【アイ・コールマン現る!カイマンの正体も明らかに?】
復活した煙は、中央デパートのチューブ生命体と魔法で対決します。
このチューブの生命体、外見は十字目のボスと似ているのですが、果たしてその正体は何なのでしょう。
一方で中央デパート内をさまようカスカベ先生と栗鼠は、カイマンの中から出現したアイ・コールマンと出会い、ついにカイマンの正体を知るのでした。
しかしここで、悪魔たちも不穏な動きを見せます。
煙は魔法で勝利できるのでしょうか。そして、カイマンの正体とは?
レストラン丹波、キリオンの秘密
雨の降り続く魔法使いの世界。
「レストラン丹波」の主人、福山、飛鳥は雨で全く動けません。
しかし、キリオンだけは街中を歩き、食料を確保します。キリオンが雨でも平気な理由、それは彼女が人間だからでした。
彼女は福山の魔法のホウキを借りて、雲の上に何が起きているのかを見に行くと言い残し、レストランを去ります。
残った3名はキリオンの正体に薄々気づきながらも、ただ待ち続けることしか出来ませんでした。
ボス・煙がついに本領を発揮!中央デパートのチューブ生命体と対決へ
心によってファミリーたちのもとに駆け付けた煙。
煙はドロを吐くチューブの生命体と魔法で対決します。
煙はあらゆる場所に胞子をまき散らし、キノコを発生させその重みで謎のチューブ生命体を窒息死させようとします。
キノコに食い破られたチューブ生命体は、キノコでチューブを破裂させられ、ニカイドウを解放。
ニカイドウは能井の魔法で全回復します。
さらに煙は藤田や恵比寿たちを特製キノコスーツで包み完全に防御させます。
煙の魔法は、チューブの本体やチューブ全体の内部にキノコを増殖させるものです。
キノコで体内が膨れ上がり、溢れかえった結果、チューブの生命体は活動を停止。
煙はこの勝負に勝利したかに見えました。
カスカベ先生、アイくんと再会、カイマンの正体を知る
煙たちとは別の中央デパート内で、カイマンと遭遇したカスカベ先生と栗鼠。
カイマンはチューブによって押し込まれたドロに苦しみ、カスカベ先生もまた、ドロを体内に押し込まれてしまいました。
ドロにより息も絶え絶えなカスカベ先生の前に、倒れたカイマンの中から現れた「アイくん」ことアイ・コールマンが現れます。
アイはカスカベ先生を伴い、今起きていることのすべてを見せると告げ道案内を始めます。
そこはアイの心の世界でした。
昔、魔法使いになりたくて魔法使いの肉片を集めた人間のアイは、ホールの「何か」にとって理想的な存在でした。
ホールの「何か」は、今まで魔法使いに殺されていった人間たちの魂です。
アイの精神と体は「何か」に支配され、利用されていたのでした。
多くの魔法使いを殺すため、多くの命を宿した「何か」とアイ。
アイは会川として栗鼠と出会い、十字目組織のボスとして君臨し、栗鼠を殺し、恵比寿の魔法にかかってカイマンとなったのです。
これらは全て独立した命であり、今、煙が戦っているチューブの生命体も命のひとつであることを、アイはカスカベ先生に教えます。
しかしここでカスカベ先生の心身の機能は停止。ゾンビ化してしまいます。
全ては、悪魔賭博のため
ゾンビ化したカスカベ先生は、デパート内で妻のハルが捕獲しました。
カイマンの姿のアイ、そして栗鼠は煙たちのいる一部屋に向かいます。
部屋にはアスやニカイドウ、煙ファミリー、息絶えたかに見えるチューブの生命体がいます。
ここで、全員が一部屋に揃いました。
この様子をゆっくり眺めていたのが、悪魔たちです。
悪魔・チダルマと元・魔法使いだった悪魔は、実は悪魔賭博を行っていました。
この賭博にチダルマが勝利した場合、他の悪魔は全員魔法使いに戻されてしまうのです。
チダルマにとって、アスや煙、そしてそのファミリー達は賭博の駒でしかなく、中央デパートのこの部屋に集められた者たちは全員が賭博の駒でした。
アイは、栗鼠に自分の命を絶ち、チューブの生命体の活動を永遠に停止させるように願います。
かつてのパートナーであった会川を殺すことに決めた栗鼠。
しかしそこで、チューブの生命体が奇妙な動きを見せます。
新しい首を生やしたのです。
それは、腐敗したアイ・コールマンの首でした。
栗鼠はアイの首を「ストアの包丁」で切断します。
これですべての命は消えたはずでした。
アイが消え、カイマンはカイマンとしての意識を取り戻します。
全てを知ったニカイドウは、カイマンの正体を説明しますが、カイマンはほとんど理解出来ていません。
そのとき、見学していた悪魔たちが突如部屋に入ってきました。
煙は友人である悪魔・チダルマがいることに驚きますが、その瞬間あたりは暗闇に覆われてしまいます。
強い酸が足元に流れてきたことを感じ取った煙はその場でキノコスーツを作り、ニカイドウたちは千里眼を使用してワープを行います。
この瞬間、アイに憑依していた「何か」であるホールくんが誕生したのです。
賭けに勝ったと喜ぶチダルマは、他の悪魔の肉を剥がす「ストア」を召喚し、勝利の証として悪魔たちをただの魔法使いに戻すべく、解体したのでした。
ドロヘドロ【21巻】の感想。カイマンの正体がわかりにくい!
【煙、ボスとしての本領を発揮!そしてカイマンの正体が判明】
煙の魔法はキノコを自由自在に増殖させるというシンプルなものです。
しかし、それを上手に使うことで中央デパートのチューブ生命体を切断し、最終的にはキノコで内部から圧死させるという作戦を取りました。
この機転の利かせ方はさすが、魔法使いの街のボスといったところでしょう。
今回、キーパーソンになるのはカスカベ先生と、アイ・コールマンです。
読み手でも理解するのが難しいカイマンの正体ですが、アイ・コールマンがここで全てを解説しています。
アイは魔法使いになるために、カスカベ診療所で働いて魔法使いの肉片を集めていました。
そして最後には、アイ自身がその肉片を自分の臓器や皮膚として利用しました。
アイは「魔法使いの肉が入った袋」として死んでしまい、結果、ホールの亡霊たちの集まる場所となってしまったのです。
そしてアイは会川、十字目ボス、カイマンという複数の命を宿すことになったのでした。
かなり複雑ですが、カイマンですら理解出来ないことなので少々戸惑うのは仕方ないでしょう。
しかしどうやらアイの命を終えただけでは物語は終わらないようです。
中央デパートの暗闇自身がついに動き出し、悪魔・チダルマの思惑が明らかになりました。
チダルマはこの「何か」が動き出すことを待っていたのです。
この「何か」こそが、ホールくんという最悪の敵となります。