ビッグコミックスピリッツ系雑誌で連載された、林田球・作「ドロヘドロ」16巻のネタバレと感想の紹介です。
トカゲ頭の男・カイマンが自分の姿を取り戻すために旅をするダークファンタジーとして知られています。
個性的な登場人物、複雑な設定や伏線が魅力の作品です。
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ドロヘドロ【16巻】のあらすじとネタバレ。ニカイドウの更なる悪魔化。
栗鼠の暴走を止めたアスとニカイドウは、とある路地裏に向かいます。
そこは、ニカイドウが初めてカイマンと出会った場所でした。
ニカイドウの魔法で過去に戻ることが出来るのは、2人までだけということもあり、今回は栗鼠とニカイドウが過去へ向かいます。
過去に移動したふたりは、歴史を変えないように身を隠します。
しばらくすると、そこに魔法使いのドアが出現しました。
ドアから出てくる人物をふたりはじっと見つめます。
そこに現れたのは十字目幹部のリーダー・毒蛾。そして会川そっくりの男、十字目のボスでした。
十字目のボスは毒蛾からケムリの入った箱を受け取り、ナイフを毒蛾に預けます。
どうやらボスは魔法使いの世界から逃げてきたようです。
その様子を見ていた栗鼠は怒りにかられ、「カース」を発動しそうになりますが、ニカイドウがなんとか落ち着かせます。
毒蛾はボスのナイフを預かり、ドアを閉めます。
十字目ボスがその場を立ち去ろうとした瞬間、ドアのカギ穴から謎のケムリが噴出し、周囲を囲みます。
それはやがて形を作り、人型となりました。「カース」が現れたのです。
十字目ボスは焦り、持っていた魔法ケースを「カース」にぶつけます。
しかし「カース」には魔法も武器も効きません。
反対にケースをかみ砕き、飲み込んだ「カース」は十字目ボスの背中に取りつきます。
お前の全てを奪ってやる。
「カース」はそう言い、十字目ボスの臓腑を抜き取りそのままそれをかみ砕きました。
これでお前は魔法使いではなくなった、と「カース」は十字目ボスに宣告します。
そしてそのまま路地裏に向かい、「カース」は内臓を食べ続けるのでした。
ニカイドウはこの光景が、カイマンの言っていた「路地裏の男の光景」であると理解します。
そして会川が十字目のボスであるならば、全ての理屈があうこともふたりは把握しました。
十字目のボスが「カース」に呪われたのは、ボスが栗鼠の魔法「カース」を欲しがったのです。
そのために十字目のボスは栗鼠を殺し、「カース」に呪われたことになります。
「カース」はさらに十字目ボスを追い詰め、その頭部に食らいつきます。
その時、ボスが握りしめていた魔法のビンも割れてしまいました。
「カース」はボスの首を平らげると、さらに体内に潜るために霧状の体となってボスの首から体内に侵入しました。
そこでビンの中に入っていた「エビスの魔法」が発動します。
同時に2つの魔法にかかってしまったことで、「カース」の呪いはボスの体内に封じ込められてしまいました。
「カース」はこうして「口の中の男」となったのです。
栗鼠は自らの「カース」が発動し、この「カース」自身がこの時の記憶を持っていると言います。
そしてボスの正体もわかった、と言うのです。
過去のニカイドウはこの様子を目にし、ボスの遺体を「首なしの遺体」としてボディバッグに入れ、自治会に連絡をしに行きます。
その間に首が生え、再び過去のニカイドウが戻ってきた時には、トカゲ頭の「カイマン」となっていたのでした。
真実を確認した栗鼠とニカイドウは、自分たちの時間軸へ帰還します。
ニカイドウの更なる悪魔化!今度はシッポ!
「空腹虫」に戻った3人は、会川が十字目のボスであったことを確認しショックを受けます。
栗鼠は寝込んでしまい、ニカイドウも熱がある様子です。
突如ニカイドウは苦しみ始めます。
突然のことに驚くアスですが、さらに驚くことにニカイドウはついに悪魔のシッポまで生えてしまったのです!
更なる悪魔化が進行したことで、ニカイドウは突然陽気な性格になり、落ち込む栗鼠を励ますためにギョーザを作ります。
そのギョーザの味はこれまでにないほど美味なものでした!
アスと栗鼠は驚き、そのままふたりは食べ続け眠ってしまいます。
起きたときにはニカイドウが作ったと思われる大量のギョーザ弁当がありました。
悪魔の性格の暴走がおさまったニカイドウは驚き、自分の悪魔化が進行することを恐れます。
いったん魔法使いの世界に戻り、アスの友人に相談しようとしましたが、まずは大量のギョーザ弁当を処分する必要があります。
3人はホールの中央デパートで、大量の弁当を売りさばくことになりました。
煙ファミリーもお引越し!
心が新しいファミリーのアジトとしたのは、バウクス先生の病院でした。
マスクも洋服もないことに能井やエビスは不満を述べますが、そこでカスカベ博士とジョンソンを抱えた悪魔・ハルが出現します。
ハルはカスカベ博士とジョンソンをホールに届けにやってきたのです。
ハルは悪魔の力で心と能井、さらにエビスに服とマスクを提供します。
これで実力が発揮できると張り切る能井。
カスカベ博士とジョンソンの意識も戻り、静かな病院は突如騒がしくなります。
毒蛾、急襲される!十字目ボス行方不明に
ホールを訪れたものの、謎の生命体となってしまったボスの言葉がわからず、途方に暮れていた十字目幹部たちは、毒蛾以外全員でボスの食事を探しに出かけます。
深夜になっても彼らは戻らず、毒蛾はひとり十字目のボスを守っていました。
そこにホールの僧侶が訪れます。
見られては困ると判断した毒蛾は、ホールの僧侶を脅し、排除しようとしました。
しかし突然、僧侶のひとりが毒蛾に拳銃を向けたのです!
気づいていなかった毒蛾は、凶弾に倒れます。
翌朝、戻ってきた毒蛾以外の十字目幹部たちはボスも毒蛾もいないことに気づき、驚きます。
しかしボスの黒いススが地面に残っていたので、幹部たちはそれを追跡することに決めました。
ボスの行き先は地下道に繋がっており、幹部たちはボスを探しに謎の地下に侵入していきます。
一方、毒蛾は皮肉なことに、魔法被害者病棟に患者として運び込まれていました。
バウクス医師が検査するも、もはや助からないと判断します。
しかしそこで、毒蛾の目に十字目が入っていることにバウクスは気づきます。
すかさず煙ファミリーが反応し、消の命令によって毒蛾は捕らわれてしまうのです。
毒蛾の災難から藤田の生存を確認!
目覚めた毒蛾は、自分の身体が魔法によってバラバラになっていることに気づきます。
毒蛾は心の魔法によって解体されていたのです。
毒蛾はいつも監視されているような視線を感じていました。
それは煙ファミリーのものだったと気づきます。
毒蛾はそれをファミリーのせいかと尋ねると、エビスたちはそれが、藤田であることに気づきました。
藤田は生きていたのです。
消はさらに、僧侶の正体についても触れます。
前日、ホールの僧侶が衣服をはぎ取られて死亡する事件があったことから、魔法使いが僧侶に化け、十字目幹部たちを襲ったのではないか、と毒蛾にゆさぶりをかけました。
とっさにボスの身を案じる毒蛾は、思わずボスはどこだ!
と聞いてしまいます。
これによって煙ファミリーは、十字目ボスが同じくホールに来ている!
と色めきます。
藤田と連絡がつけば煙を復活させられるかもしれない。
そう考えた消は、計画を練り始めました。
十字目ボスを連れ去った八坂、藤田と戦う
ホールの僧侶になりすまして毒蛾とボスを襲ったのは、魔法使いの八坂たちでした。
八坂は十字目幹部とボスがホールに向かう場所を目撃し、「黒い粉」を独占しようとしていると勘違いしたのです。
毒蛾を退けた今、八坂とその仲間は謎の「黒い粉」を吐き出す物体を手に入れ大喜びしていました。
八坂は騒いでいた仲間を突然拳銃で殺し始めます。
はじめから「黒い粉」を独占したがった八坂にとって、仲間はすでに邪魔な存在でした。
魔法使いの仲間を全員殺害した八坂は、最後に謎の生命体の足元に発砲します。
それが自分たちのボスとは知らず、ひたすらこの生物に「黒い粉」を生産させようと考えたのです。
これを目撃していたのが、消の魔法で姿を消している藤田でした。
藤田は謎の生命体が十字目のボスであることを知っています。
今、八坂に好きにさせては、煙の悪魔腫瘍を奪還することが出来ません。
藤田は思い切って周囲に散らばった「黒い粉」を吸い込み、八坂の頭部を狙い撃ちします。
その時、藤田の腕が破裂しました!
「黒い粉」が強すぎた結果、藤田の魔法の威力は肉体を破壊するまでのものになってしまったのです。
八坂の頭部に魔法は当たりましたが、藤田自身も大きな傷を負ってしまいます。
八坂の頭部からは脳が漏れ出ていました。
八坂自身がそれに気づき、狂ったように謎の生命体にナイフで襲い掛かります。
八坂は謎の生命体の頭部を開き、自分の脳を補填しようとしたのです。
藤田は悪魔腫瘍を奪われるのだけは阻止しようと考え、再び八坂に近づきます。
そして破壊された腕から、最後のケムリを出したのです。
八坂は吹っ飛び、同時に藤田も倒れました。
藤田は意識が消えていくのを感じながら、再び姿を消します。
感想。悪魔ニカイドウがエロ可愛い!そして藤田頑張れ!
ニカイドウはついにツノとシッポのある悪魔に進化してしまいました…。
悪魔になると奇抜な恰好を好むようになるので、現在のニカイドウは作業用エプロンとブーツやプロテクターを着込んだ謎のエロスを備えた悪魔になっています。
しかも悪魔らしくシッポもあるからとても可愛い!のですが、絶対に目がおかしいです。
悪魔化して目が赤くなっています……。
完全にハイな精神となり、ギョーザも突然大量に作る始末。
しかしこのギョーザ、すごくおいしいらしいです。
アスは食べすぎて翌朝体型が変化しています。
ラストの藤田、とてもかっこいいですね!
これまで藤田は地道に煙の屋敷に張り込みをして、十字目のボスや謎の生命体の場所にも立ち会っていました。
実はカスカベ博士とジョンソンが訪れたときには、ジョンソンに気づかれボコボコにされたりしています。
そんな藤田がようやく男に!
このまま死なないでほしいです!
特に腕を無くしても魔法を使って八坂を倒そうとするシーンは、藤田がニヤっと笑うところでもあります。
16巻にしてようやく男らしさを見せた藤田!さすがです。
あと、八坂が脳を補充しようとするというのは、明らかに狂っている発想ですね。無理です。
16巻ではついに、十字目ボスとカース、そしてエビスの魔法がたまたま融合してカイマンが現れたとわかりました。
かなり重要な部分なのですが、いかんせんあのトカゲ頭カイマンが出演していないので、内容がわかりにくくなっていますね。
もう少しであの懐かしいカイマンに出会えるはずです。
さて物語はいよいよホールの「中央デパート」に移動します。
ここでもまだいろいろなことがありすぎるので、期待大です。