ビッグコミックスピリッツ系列雑誌で連載された、林田球・作「ドロヘドロ」から「強い能力・キャラクターTOP10」を選出してみました。
魔法と暴力が入り混じる世界での個人的な私見となりますので、何卒ご理解ください。
複雑怪奇な能力がこの漫画の魅力ともなっています。
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「ドロヘドロ」の世界の強い魔法・能力ランキング
「ドロヘドロ」の世界の能力、それは「魔法」です。
「魔法使い」は非常に特殊です。
「魔法使い」は全員、頭部に「悪魔腫瘍」という腫瘍があり、それが無くなると魔法が使えなくなり、命を落とします。
「魔法使い」は「人間」と身体の構造が違い、ケムリを出します。
もちろん体外に排出する「管」もあり、これを塞がれるとケムリを出せません。
能力の珍しいケムリは売買されることもあります。
さらに「魔法使い」は雨に弱いという性質があります。
「魔法使い」は生まれつき、魔法の強さと弱さが決まっています。
生まれつきケムリが少量しか出せないものや、意味のない魔法を持ったものは魔法使いの間でもいじめの対象になります。
優秀な能力を持った者は煙ファミリーにスカウトされ、ゴージャスな生活を送ることが出来ますが、低い能力しかない者は、「十字目組織」のように裏社会で生きることを余儀なくされるのです。
このような「ドロヘドロ」ワールドで強い能力を選んでみました。
10位 能井「なんでも治す」能力と怪力・鉄拳能力
林田球/ドロヘドロより
煙ファミリーが独占する「魔法使い」の能力は手堅く優秀!
煙のイトコかつ心のパートナーである能井が10位です。
彼女は何でも治す魔法使いで、自分の傷は自然治癒しますし、致命傷を負った相手の傷を治すことも可能です。
そんな防御力最強の能力を持ちながらも、彼女は2メートル9センチの身長を活かした怪力&鉄拳で相手を打撃粉砕します。
常に「強い相手と戦いたい」と考えており、自分は決して倒れることがないことから、かなりの強さであると考えられます。
「魔法使い」でありながら魔法に頼ることのない強さを持った彼女が10位です。
9位 毒蛾「毒の唾液」とナイフ投げ能力
林田球/ドロヘドロより
毒蛾自身は「魔法使い」の中でも落ちこぼれとして蔑まれた日々を送っています。
「毒の唾液」は魔法というよりは体質で、このため十字目幹部たちと一緒に食事をとることもままなりません。
そんな彼が能井より強い9位である理由は、彼が「魔法使い」の弱点や急所を知り尽くしたナイフ投げの達人であることからです。
彼は多少の強い「魔法使い」と遭遇しても、すぐにナイフで相手のケムリ管を切断し、ケムリを作る臓器を破壊して殺すことが出来ます。
「シャイターン」と呼ばれる回復魔法をため込んだ「魔法使い」のアジトにはひとりで潜入し、ケムリを強奪してきたこともあるほどです。
ナイフ能力が強すぎるため、「魔法使い」であっても彼の前では敗北することがあります。
ちなみに「毒の唾液」は相手の目を一時的に見えなくします。
8位 心「なんでもバラバラにする」能力
林田球/ドロヘドロより
人間と「魔法使い」のハーフで、能井の先輩である心。
彼は「何でもバラバラにする」能力を持っています。
この能力の恐ろしいところは、相手を「生きたまま」バラバラにすることも可能、という点です。
この能力は拷問などに使用され、相手のパーツをひとつずつ潰していきます。
この能力があまりにも強いため、終盤には煙ファミリーの崩壊を招いてしまいます。
ですがラストでは、ホールくんの悪魔腫瘍を見つけるという大役も担っていますし、能力の強さは十分すぎです。
さらに彼は人間の頃に迫害されてきたという過去を持っています。
そのため、暴力経験値が高く、自分自身もハンマーで相手を打撃攻撃で破壊するという力があるのです。
魔法も打撃も攻撃的すぎる彼は、圧倒的に強い能力を備えていると言えるでしょう。
7位 煙 「変化系キノコ」能力
林田球/ドロヘドロより
「魔法使い」の世界を仕切るファミリーの親で、心と能井の雇い主でもある煙。
彼の能力は「全てをキノコ化する」というシンプルなもの。
ところがこれ、「キノコ」であることが異常なほど厄介です。
まず、嫌な相手は全員キノコにして殺します。
苦しみを与える時には、キノコで体を貫かせることも可能です。
しかも、「キノコ」であれば胞子を飛ばすことが出来るため、魔法が効かない体質のカイマンを、体内の胞子から生やしたキノコで破壊しました。
ひとつの街全てをキノコで埋め尽くし、壊滅させたこともあります。
さらに自分自身の分身であるキノコ怪人を作り、遠隔操作しながらの戦いと監視を行うことも可能です。
一度は錯乱した心を、煙のケムリで無数の小さいキノコにしたこともあります。
そんな彼はキクラゲなどの愛しいものには「キノコスーツ」を作り、徹底的な保護も可能です。
攻撃力と防御力に優れたボスの能力として相応しいものなのです。
6位 ストア「悪魔を魔法使いに戻す」能力
林田球/ドロヘドロより
上位ランカーにはもちろん「悪魔」が入ります!!
ストアは悪でも善でもない存在で、「肉屋」を営んでいます。
鳥のような姿をしていますが、翼にあたる部分が長い腕になっており、包丁を常に持っているのが特徴です。
この「ストアの包丁」が最強凶器として異常に優れています。
「ストアの包丁」に切れないものは、この世界にはありません。
まず、通常では斬ることが出来ない悪魔の肉体を解体することが出来るため、アスが悪魔から降格し「魔法使い」に戻った際は、ストアがその腕を振るっています。
最も恐ろしいシーンは、チダルマ以外の全員の悪魔をストアが「魔法使い」へと処理したことです。
あっという間に肉を剥がされた元・悪魔たちが痛々しい……。
この「ストアの包丁」は一振りするだけで風圧が発生し、悪魔も「魔法使い」もダメージを受けるほど強いものです。
「人間」であるカイマンには持ち運ぶことが出来ないほど重く、ホールくんを斬ることも出来るという万能さから上位ランカーとなりました。
5位 悪魔ハル「万能」能力
林田球/ドロヘドロより
「悪魔」は「魔法使い」が修行をして、訓練を積んだ結果「悪魔」と成長します。
ハルはカスカベ博士の妻であり、「悪魔」です。
通常は「悪魔」の体に入っていますが、いたずら好きの性格のため、よく本体の美女姿で登場します。
彼女は「悪魔」ですから、基本的にどのような能力でも使いこなせます。
嗅覚のみで夫を見つけ出す、瞬時にマスクと服を作る、ストアの包丁を扱えるなど能力は多種多彩です。
その能力は、怒った時に最高の強さを見せます。
ニカイドウとカイマンのせいでカスカベ博士がハルの体内に吸収されてしまった時は、その怒りのあまり吐息だけでカイマンひとりを溶かしてしまいました。
魔法だけではなく肉体的にも強く、悪魔化したニカイドウの攻撃を受けても、ノーダメージで反撃することが可能です。
ハルの場合は作曲も趣味なので、歌をうたって結果的に栗鼠の「カース」を撃退することも可能でした。
4位 悪魔ニカイドウ「時間」能力
林田球/ドロヘドロより
アスの特訓を受けている内に「悪魔」になってしまったニカイドウです。
すでに肉体は女のものではなく、たくましい男性のものとなっています。
自分の意思に反したトラブルがあったときには、「魔法ボックス」内にある弾丸を使用することで、運命を変化させることが可能です。
これにより死んだはずのカイマンが復活するなど、「魔法使い」が全員殺されるという未来を回避することに成功しました。
さらに時間使いの勘のようなものが彼女には備わっており、最悪の未来をどうすれば回避できるのかを予想することも可能となっています。
ニカイドウの場合、肉体的な面でも強く「ストアの包丁」で単身、ホールくんに立ち向かい、一度はピンチにまで追い込んだことがあります。
もともとカイマンと「魔法使い」狩りをしていたことや、用心棒の仕事をしていた経験もあることから、体術の使い手としてもニカイドウは強いのです。
作るギョーザは破壊的なうまさらしく、中央デパートでは1箱1万円で売れていました。
3位 ギョーザ魔王の杖を持った魔法使いカイマン「ギョーザ魔法」能力
林田球/ドロヘドロより
圧倒的に強いのは「世界」を作り出したあの力。
元・悪魔たちの最後の魔法を集中させて作り上げた、「魔法使い」カイマンです。
「ギョーザ魔王の杖」というチートな武器を使い、ホールくんを苦しめました。
「羽根付きギョーザ」で空を飛び、「ギョーザの皮つつみ」では強力な攻撃から身を守ることが出来ます。
巨大な包丁を空中に出現させ、「具をみじん切り」させることで敵を切り刻み、「出来立て揚げギョーザ」を相手にぶつけることで大ダメージを与えることも可能です。
攻撃だけでも相当強いのに、「うますぎるギョーザ」で食べた者を超回復させることや、「ギョーザマスク」で頭部を保護することまで出来ちゃいます。
カイマンはいつまでもこの杖を手放したくなかったでしょう……。
もちろん杖のないカイマンもナイフの使い手として、かなりの強さを持っています。
しかも友情に厚く、「魔法使い」たちがどれほど人間にひどいことをしてきたかを体感しても、「魔法使い」ニカイドウを助ける、と決める意思の強さもあるのです。
2位 ホールくん「魔法使いを殺す」能力
林田球/ドロヘドロより
「魔法使いに殺された人間の怨念」によって生まれたのが、ホールくんです。
ホールくんの能力は、「魔法使い」を殺すことに特化しています。
武器や技は、着用している衣装から出されることが多く、巨大ナイフとフォークを使って「魔法使い」を直接食べ、太古の怨霊を呼び出してゾンビとして「魔法使い」を襲わせます。
「魔法使い」の世界全てを覆うほどの雲を呼び出し、雨を降らせることも可能です。
ニカイドウには、彼女の上だけに雨雲を呼び出して雨を降らせるなど、エゲつないことも平気で相手を殺します。
エゲつないので、ニカイドウのコピーを作ってカイマンと戦わせたり、十字目ボスの顔でカイマンを油断させることもします。
心を乗っ取って煙ファミリーを壊滅させたり、十字目幹部のほとんどを殺したりもします。
ラストは「ホール」の守り神として信仰され、「ホールくん人形」は「魔法使い」除けとして使われるようになります。
1位 チダルマ「超万能」
林田球/ドロヘドロより
他の悪魔は「エリート魔法使い」ですが、チダルマだけは別格です。
彼は純粋な悪魔として生まれ、悪魔として「魔法使い」の世界、ホール、地獄を創り上げました。
この時点であらゆる能力の頂点決定です。
しかし、その強さゆえにいつも退屈を覚えているので、ホールくんを誕生させ全世界を混沌に落とそうと画策します。
他の悪魔たちを全員降格させたり、友達である煙を見捨てたり、やる事なすこと悪魔らしくエゲつないです。
チダルマ自身、ツノを折ったり羽根をもいだりしても、ノーダメージで痛がっているフリや疲れたフリなどをして楽しんでいるだけだったりします。
そんな彼も最後は「人間として五千年過ごす」という罰ゲームを受けるのですが、復活すればまたこの能力が使い放題なんですよね。
感想。攻撃も防げば問題なし、それがドロヘドロ!
以上、ドロヘドロの強いキャラクター・能力のランキングトップ10でした。
「強い魔法」と聞くと炎などの魔法や、属性に関係なくダメージが与えられるものが想像できます。
しかし「ドロヘドロ」は、どんなに強い魔法でもキノコスーツで防御されてしまったり、ケムリ管が詰まって出せなかったら意味なしというポイントがあります。
ここがこの漫画の独自設定ともいえる部分で、上記の魔法使い以外でも福山という男性は「パイに変える」魔法で十字目ボスを撃退したり、栗鼠の「カース」という呪いの魔法は、自分が死んでも相手を殺すまでつきまとい、全てを奪うという能力があります。
「ドロヘドロ」における「魔法使い」は確かに特殊能力が桁外れですが、それ以前に使う人間の頭の良さ、そして機敏などが関わってくるように感じられます。
それに、魔法が封じられた場合には結局肉弾戦です。
心と能井はほとんどこの肉弾戦で仕事をしているような部分もあります。
魔法が使えないカイマンは、「ドロヘドロ」内では不利な主人公ですが、反対に魔法を一切受け付けないという能力もあります。
最終決戦まではこの力のおかげで、煙と直接対決まで持ち込むことが出来ました。
ラストに至ってはギョーザ魔王の杖をなくしているので、ただ「ニカイドウを助ける」気持ちでホールくんを退治したと言えます。
でも、強い魔法が使えるとすごくかっこいいですね。
もし誰かの能力を得られるとしたら、煙のキノコ魔法はちょっとあの世界でしか通用しそうにないので、能井の回復などが好ましいと言えますね。