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十二国記「月の影 影の海」ネタバレと感想

【ネタバレ有】十二国記『月の影 影の海』の感想とあらすじを紹介!

本記事では、小説:十二国記『月の影 影の海』の感想とあらすじ(ネタバレ)を紹介しています。

作中に登場する名言集についてもまとめてみました。

 

十二国記シリーズの始まりの物語でもあり、主人公:中島陽子の壮大なストーリーが繰り広げられます。

 

エレ子さん
長編作品なのでじっくり楽しんでいきましょう!

 

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十二国記の小説を読むオススメの順番について

 

『月の影 影の海』あらすじ

 

普通の女子高生・中島陽子。

彼女は大人しく、内気な性格の委員長で争いごとを好まない性格でした。

 

そんなある日、彼女の前に「ケイキ」と名乗る金髪の男性が現れます。

 

「ケイキ」の出現とともに現れたのは、コチョウという名の巨大な鳥の怪物でした。

次々と出現する怪物を前に、「ケイキ」は陽子の手を引いて避難。

 

そして「ケイキ」は陽子に「あちらにお連れする」と言います。

「ケイキ」の用意した騎獣に乗せられる陽子。

 

さらに「ケイキ」は彼女に青い珠がついた宝剣を渡します。

理解が追い付かない彼女を乗せた獣は走り、海の光の中へ飛び込んでいきました。

 

騎獣と逸れてしまった陽子は、宝剣と共に浜辺に打ち上げられます。

周囲に「ケイキ」の姿はなく、陽子はひとりでこの世界を彷徨うことに。

 

やがて東洋風の町が見え、安堵する陽子でしたが出会う者は陽子に対し、ことごとく冷たい態度を取ります。

陽子はここの世界では、「海客」と呼ばれる異人でした。

 

災いを呼ぶと言われる「海客」は、県庁に突き出すのが決まりだと言われ、陽子は囚われます。

「ケイキ」とは一体何者なのでしょうか。

 

そして海を通じて辿り着いた世界、「十二国」とはどのような世界なのか。

陽子の想像を絶する物語が、今始まったのです。

 

ネタバレ・ストーリーの流れと結末

ここでは、十二国記『月の影 影の海』のネタバレを含むストーリーの流れを紹介しています。

 

突如現れた「ケイキ」が主人公・陽子を国へ連れ去る!

生まれつき赤い髪をした女子高生・中島陽子は、クラスで委員長をつとめる真面目な少女です。

しかし近頃は、奇妙な怪物の群れに襲われるという悪夢に悩んでいました。

 

ある日、教室にいた陽子の前に、美しい金髪の男性が現れます。

「あなただ」とつぶやいた彼は、陽子を国に連れていくために来た、と言うのです。

 

さらに、陽子の身には危険が迫っていると言います。

何もわからない陽子は、「ケイキ」と名乗る男性を拒否しますが、その時突然学校の窓ガラスが全て割れてしまいました!

 

巨大な鳥の怪物が出現したのです。

「ケイキ」は陽子に一振りの宝刀を渡し、これで怪物を斬るように言い渡します。

 

剣など握ったことのない陽子は、宝刀を投げ捨ててしまいますが、「ケイキ」は再びそれを彼女に渡し、陽子に「ジョウユウ」という謎の霊体を憑依させたのです。

 

「ジョウユウ」は全く怪物など斬ったことのない陽子の腕を動かし、怪物を切り伏せたのでした。

 

「ケイキ」はそのまま空を飛ぶ獣に陽子を乗せ、「あちらにお連れする」と宣言。

騎獣と呼ばれる動物は陽子を乗せたまま海へ走り出しました。

 

海の中に光るトンネルに獣は飛び込み、陽子は落ちると身構えます!

しかし、水の感触は全くありませんでした。そこに広がるのはまた大きく広がる海だったのです。

 

「ケイキ」とはぐれた陽子、「海客」として彷徨う

浜辺で目覚めた陽子のそばに、「ケイキ」はいませんでした。

宝刀の鞘に飾られた青い珠を握ると不思議と体力が回復することを陽子は知ります。

 

さらに陽子が驚いたのは、海面に映る自分の髪と顔でした。

髪は深紅に、顔は別人のものに変化していたのです!

 

陽子は言い知れぬ恐怖を感じながらも、人を探すため浜辺をあとにします。

陽子は道中、さまざまな人々に出会うことになります。

 

ところが出会った人々は、陽子を罠にはめ、役人に突き出そうとしたり、娼婦として売り飛ばそうという魂胆を持つ者ばかりでした。

 

陽子が得た情報は、この場所は日本ではなく「巧」という国であること、自分は「海客」と呼ばれ、災厄を呼ぶとされ疎まれる存在であること。

 

そして何故か自分だけは最初からこの国の言葉がわかることでした。

 

宝刀の青い珠の力で体力は回復するものの、陽子は異国で誰にも頼れず、食べ物にもありつけません。

 

さらに夜には妖魔が陽子を襲い、安堵できる場所はどこにもありませんでした。

 

旅の途中に出現した「蒼猿」、そして半獣・楽俊との出会い

剣と鞘を決して離してはいけない、と「ケイキ」に言われていた陽子。

ですが青い珠を使うために鞘から剣を抜き取ってしまいます。

 

その時から陽子の道中に、ひとりの男が現れました。青い毛をした猿、蒼猿です。

 

蒼猿は、陽子の不安や不信感を煽り、その剣で自害するように仕向けます。

陽子は蒼猿が幻だと知りながらも動揺し、この世界の人間への不信感を強めていくのでした。

 

とうとう行き倒れた陽子は、ネズミの姿の半獣・楽俊に助けられます。

傷の手当や食事を与えてくれる楽俊。ですが陽子は彼を信じることが出来ません。

 

それでも楽俊は、陽子に「十二国」のあらましを教え、さらに「海客」でも生きられる国として「雁」の国に行くよう助言します。

 

楽俊は自分も「雁」へ行くと言い、陽子の案内役をしてくれました。

 

ところが、共に行く町の前で陽子は再び妖魔の襲撃に遭遇。

陽子は妖魔を切り伏せますが、楽俊は逃げ惑う人々の下敷きとなってしまいました。

 

陽子は倒れた楽俊を目にしながらも、見捨てて逃げ去ってしまいます。

蒼猿は楽俊にトドメを刺すべきだと、陽子を煽ります。

 

しかし陽子はそこで初めて「自分の意思」で楽俊を殺さなかった、殺さなくてよかった、と安堵したのです。

 

蒼猿を恐れず斬り捨てた陽子。そこには無くしたはずの鞘が落ちていました。

 

陽子、雁国へ。延王と出会い「景王」であると知る!

ひとりで「雁」へ渡った陽子は、港で楽俊と出会います。

楽俊に詫びたあと、奇妙な縁から陽子は「雁」国の王・尚隆と出会うことに。

 

同じ「海客」である尚隆のそばには、「ケイキ」と同じ金色の髪をした延麒がいました。

ここでついに陽子が「十二国」へ連れて来られた理由がわかります。

 

この世には十二の国と十二の麒麟がおり、麒麟は王を選定します。

陽子はその十二の国の内のひとつ「慶」の国の王だと言うのです。

 

「ケイキ」とは「景麒」、「慶国の麒麟」であることを示していました。

 

陽子がこちらの言葉に不自由しないのは、陽子がもともと十二国の人間であり、生まれる前の「胎果」が日本に流されてしまったためと判明します。

 

王の役割は、仁道をもって国を治めることだと延王・尚隆は言います。

王が悪しき政治を行うと、麒麟は不治の病にかかり、「失道」します。

 

麒麟が死ねば王も死に、王が死ねば麒麟は再び新しい王を探すことになります。

景麒が陽子を探していた理由、それは新しい王を選ぶためだったのです。

 

王がいない国は土地が荒れ、天災が続き民衆は苦しむことになります。

反対に、王が長く在位すれば実り多く豊かな国となるのです。

 

突如「景王」と言われた陽子はとまどい、自分はただ元の世界に戻りたいだけだと困惑します。

 

元の世界に戻ることは出来たとしても、すでに「慶」の国は荒れ果てており、偽王が支配すれば、民は苦しんだままです。

 

陽子は帰るか、王となるか苦悩します。

 

陽子、景麒を救出へ!そして即位

楽俊、そして延麒や延王・尚隆の話を聞き、「迷ったときは、やるべきことのあるほうを選ぶ」と決めた陽子は、姿を消した景麒を助けること、そして偽王を倒し、王として即位することを決心します。

 

陽子たちに妖魔を差し向けた偽王や「巧」国の王を、「雁」の力を借りて倒し、ようやく彼女は自分自身の力で景麒のもとへ辿り着きます。

 

景麒は捕縛され、力を封じられていたのです。

陽子は封印を解き、あらためて景麒に礼を言います。

 

「天命を持って主上にお迎えする」

景麒は改めて、陽子に天啓を伝えました。

 

「許す」

陽子はこうして、十二国「慶」の国、景王・赤子(せきし)となったのです。

 

『月の影 影の海』に登場する名言

(神頼みはしないのかという陽子の質問に対して)

「そんなのは本人がどれだけ努力したかの問題だろう?お願いしてどうすんだ?」
「試験なんてのは勉強すれば受かるし、金なんてのは稼げば貯まる。いったい何をお願いするんだ?」(楽俊)

 

陽子と旅をしていた時に楽俊が言った言葉です。

日本より厳しい世界で生活する十二国は「楽して儲けよう」という考えが通用しません。

エレ子さん
厳しい環境で知恵を身につけて生きて来た楽俊ならではの、耳が痛い言葉です。

 

 

「裏切られてもいいんだ。裏切った相手が卑怯になるだけで、わたしの何が傷つくわけでもない。裏切って卑怯者になるよりずっといい。」(陽子)

陽子が一度は見捨てた楽俊を探しに戻ろうとした気持ちを自覚した言葉です。

 

楽俊を見捨てた陽子を蒼猿は嘲ります。

しかし、陽子は一生見殺しにしたという後悔で苦しむなら、殺さなくてよかったと自覚します。

 

そしてこの言葉。

エレ子さん
ここから陽子は精神的にも強くなるのです。かっこいいです。

 

 

「わたしが遠くなったんじゃない。楽俊の気持ちが、遠ざかったんだ。わたしと楽俊の間にはたかだか二歩の距離しかないじゃないか」(陽子)

 

陽子の言葉です。

楽俊は陽子が景王と知り、畏れ多いと立ち去ろうとします。

 

陽子は恩人である楽俊にそばにいてほしい、という言葉をこのように表しました。

たった二歩しかない。この心の近さを表した言葉がとても詩的です。

むかわ
このあと、「おいらには、三歩だ」と返答する楽俊も素敵です。

 

 

「自分を卑下して満足してるんじゃない。わたしは本当に愚かだった。そんな自分を分かって、やっと愚かでない自分を探そうとしてる。(中略)これから少しずつ努力して、少しでも、ましな人間になれたらいいと思っている。ましな人間であることの証明が麒麟に選ばれて王になることなら、それを目指してみるのもいいかもしれない。でも、それは、いまのことじゃない。もっとずっと先の、せめてもう少し愚かでない人間になってからのことだ」(陽子)

景王である自分自身に戸惑う陽子の台詞です。

 

陽子は王の責任を知り、尻込みします。

それは恐怖であることは陽子自身がわかっているのです。

 

延王や延麒に支持されながらも、陽子は自分が浅ましく弱い存在だと旅で十分に知りました。

エレ子さん
成長したからこそ、多いに悩む陽子なのです。

 

 

「お前一人でやるんじゃねえぞ。何のために麒麟がいるんだ。天が麒麟を王にしなかったのはなぜだ。お前は自分を醜いという。浅ましいという。自分で言うんならそうなんだろうさ。だがな、景麒がお前を選んだ以上、景麒にはお前の醜さや浅ましさが必要なんだ」(楽俊)

陽子にアドバイスする楽俊の台詞です。

楽俊は陽子が景王に相応しいと言います。

 

それでも尻込みする陽子に背中を押すために、「慈悲の獣」で「民衆の具現」である麒麟がなぜ不完全な人を「王」とするのかを説きます。

 

人間の迷い、悩む気持ちこそが国を導いていくのです。

むかわ
楽俊の苦労人(半獣)たる知恵が伺える言葉と言えます。

 

感想や見どころ

シビア過ぎる異世界転生!

設定と心情に感動間違いなしの名作です。

 

心情がリアルすぎ!読み手の心を映すかのような「月の影 影の海」

陽子は他人の顔を伺う弱気な女子高生です。

そのため、十二国で姿が変貌しても性格は変化せず、読み手がイヤになるほど愚かしいふるまいをします。

 

唯一の武器である剣を投げ捨てる、わめき騒ぎ立てる、誰かに頼ろうとし、裏切られた時には激しく憎悪する。

 

着物を盗む勇気もなければ、かといって欲しいと言える行動力もありません。

威力のある剣を持っていても、斬る恐怖のあまり目を閉じてしまう始末。

 

これは、ごくごく普通の人間の感情です。

陽子は蒼猿という自分の影の部分の幻影と旅をする内に、次第に悪意に染まっていきます。

 

蒼猿の言う通り、人を欺き、だまし、裏切って生き延びようとするのです。

 

ところが、楽俊というあまりに素直な人物(半獣)に出会い、彼を見捨てたことで、陽子は生き延びるためなら何をしてもいいのか、という疑問を抱きます。

 

そして蒼猿を自ら断ち、自分の出来ることをしようと決意するのです。

 

もちろん決意したあとにも、「王になるべきか、日本に戻るか」で悩んだりしますが、この心情の変化と決意は非常に共感できるものです。

 

ここに「十二国記」の人気の理由があります。

ファンタジーであっても、人物が抱く心情はとてつもなくリアルなのです。

 

王と麒麟の関係が最も知るべきルール!鬼のような設定!

十二国は、天帝が創造した国とされています。

 

通常のファンタジー作品であれば、国の世情や成り立ち、そのルールなどはあくまで主人公に必要となる情報だけですが、「十二国記」はその設定があまりにも精密かつ理にかなっているものとして知られているのです。

 

十二の国の王を決めるのは、慈悲の生き物とされる「麒麟」です。

この「麒麟」が天啓を受け、王であると認めた人物だけが玉座に就くことが出来ます。

 

難しいのは、この天啓という部分です。

天啓は、どのような人物に下るのか麒麟にもわかりません。

 

そのため、王族であったり官吏であったりすることは無意味となります。

 

ただ、天が指し示し麒麟がその気配を感じた者だけが、王となるのです。

麒麟は王の政治を助け、民衆を正しく導くように助言を行います。

 

しかし、慈悲ばかりでは国が成り立ちません。

そのため、麒麟は王の命には絶対服従です。

 

しかも十二国では王や官吏などは「仙」となるため、不老不死となります。

王と麒麟が正しい政治を行う限り、国は栄える仕組みであるのはこういう理由です。

 

しかし、王が自分の利に走れば麒麟は「失道」の病にかかり、やがて死んでしまいます

麒麟が選んだ王も、麒麟が死ねば同じく死ぬことになるのです。

 

これが「十二国記」最大のルールでしょう。

あまりにも罪や穢れを嫌う潔癖な王であるがために、民衆を虐げる国。

 

政治や権力争いから逃れたいために王位を放棄し、国を荒らす王。

王の利己的な命令のため、命を縮めていく麒麟。

 

これらの層が折り重なっているのが「十二国記」です。

民衆にとっては、どのような王が即位するかはまさに「運ゲー」でしかありません

 

そのため謀叛が発生し、あまりにも無能な王を続けて選んだ麒麟が殺害されることもあったりします。

 

鬼のような非情なルールを設定した作者は素晴らしいとしか言いようがありません。

 

もし王になったらあなたはどうするか?までリアルなのが面白い!

「月の影 影の海」では陽子が王に即位するまでが描かれていますが、続編では王になったあとの陽子もしっかりと描かれています。

 

十二国の王となった陽子ですが、チート能力を手に入れたわけではありません。

あくまでまだ十代の女性。

 

口うるさい景麒や仕組みがわからない政治、礼儀作法から衣類まで全てにうんざりする様子が描かれます。

 

他の異世界転生と圧倒的に異なるのは、このリアル感です。

「ここではないどこか」に行ったとしても、特別な力が手に入るわけではないのです。

 

王として迎えられたとしても、頭脳も心もあくまでひとりの人間です。

 

哀しいまで無力で等身大の主人公が、あらゆる問題に立ち向かいます。

時には逃げ出したり、現実逃避したり、荒れたりもします。

 

ファンタジーの世界であっても、どこか親しみが持てる、リアルを感じるというのはこうした部分です。

 

民衆も同じように、努力不足を運のせいとしたり、権力者にこびへつらったり、懸賞金がかかれば密告もします。

 

「十二国」であっても、人間の心は変わりありません。

苦悩から逃げ、楽をしたい。

 

良い王がついてほしい、悪い王は崩御してほしい。

これは人として当然願うことです。

 

もっとも、彼らの場合は完全に天帝と麒麟、王による運のみとなりますから、より苦しい世界とも言えます。

 

大体、異世界転生は「自分もあの世界なら」と胸をときめかせるものです。

ですが筆者は、絶対十二国だけは転生したくないと思っています。

 

しかし麒麟がいつかやってくるのであればやぶさかではありません!

 

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