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十二国記『風の海 迷宮の岸』の感想とあらすじ

【ネタバレ有】十二国記『風の海 迷宮の岸』の感想やあらすじを紹介!

本記事では、小説:十二国記『風の海 迷宮の岸』の感想とあらすじ(ネタバレ)を紹介しています。

また、作中に登場する名言についてもまとめてみました。

 

「海の影 影の海」は景王・陽子の物語ですが、今回は王ではなく、そのそばに仕える神獣・麒麟である「泰麒」の物語となっています。

 

エレ子さん
健気な泰麒の姿に心打たれます。

 

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十二国記の小説を読むオススメの順番について

 

『風の海 迷宮の岸』あらすじ

 

とある冬の寒い日。

10歳の少年、高里要(たかさと かなめ)は庭に追い出され途方に暮れていたところを、突如現れた白い腕に引かれて別世界へと導かれました。

 

十二国の中心にある、「黄海(こうかい)」。

そこには麒麟が実る白い樹があり、女怪(にょかい)が「泰麒(たいき)」の実を守護していました。

 

しかし蝕によって「泰麒」の果実は蓬莱(日本)へ。

泰麒の女怪は10年間、泰麒を探し続けていたのです。

 

こうして発見されたのが、10歳の少年・高里要でした。

 

長い間を日本で過ごしていた泰麒は、自分が麒麟であること、天啓を受け、国の王を選ぶ役目を背負っていることを教えられます。

 

戸惑う泰麒。

ですが次第に女仙(にょせん)と女怪との生活に慣れていきました。

 

ところが、十二国の神話や麒麟という自分自身の性質を知らない泰麒は、麒麟としての能力が一切使えず、獣の姿に転変することも出来なかったのです。

 

落ち込む泰麒のもとに、王として選ばれるべく人々が押しかけます。

 

果たして、泰麒は戴国の王を選ぶことが出来るのでしょうか。

そして麒麟の能力を目覚めさせることは、出来るのでしょうか。

 

ネタバレ・ストーリーの流れと結末

ここでは、十二国記『風の海 迷宮の岸』のネタバレを含むストーリーの流れを紹介しています。

 

「戴」の国の麒麟、泰麒の蓬山への帰還

十二国の中央にある蓬山には、「捨身木(しゃしんぼく)」という麒麟の胎果(たいか)がなる樹木があります。

 

泰麒はそこで実りましたが、嵐にも似た災害「蝕」により、蓬莱(ほうらい)、つまり日本で生まれてしまいます。

 

泰麒が10歳になった頃、蓬山の女仙と泰麒の女怪・汕子(さんし)はようやく泰麒を見つけ出し、蓬山(ほうざん)に連れ戻すことに成功したのです。

 

泰麒はこうして初めて、自分が「麒麟」という神獣であったことを知りました。

 

泰麒、「転変」に悩む

蓬山での暮らしは不自由なく、汕子と女仙は甲斐甲斐しく泰麒を育てます。

その中で、泰麒は次第に「麒麟」という生き物の使命を学んでいきました。

 

  • 自分は十二国の「戴」の国の麒麟で、やがて「戴」の王を選ぶこと。
  • 黒い髪は麒麟の中では珍しい「黒麒(こっき)」であること。

 

その中でも泰麒が最初に悩んだのは、「転変(てんぺん)」のことでした。

 

麒麟は本来獣の姿で生まれ、やがて人の姿となります。

しかし泰麒は日本ですでに人として生まれたために、転変の仕方がわからないのです。

 

悩む泰麒を見かねた蓬山の女仙たちは、「慶」国から景麒(けいき)を呼びます。

不愛想な景麒でしたが、泰麒の優しさと素直さに触れ、次第に打ち解けるように。

 

時が来ればおのずと出来る、というのが景麒の助言でした。

 

その際に景麒は、麒麟にしか出来ない妖魔の折伏(しゃくぶく)も泰麒に教えます。

泰麒にとって景麒は、大切な朋輩として心に残る存在になったのです。

 

戴国の将軍、驍宗と李斎と出会う

夏至の頃、戴国(たいこく)からは大勢の人々が蓬山に詰めかけます。

泰麒はこの人々の中から「王気」を感じ取り、泰王を決めるのです。

 

その中で、泰麒が関心を持ったのは戴国の禁軍将軍・驍宗(ぎょうそう)と李斎(りさい)でした。

 

驍宗の深紅の眼差しと振る舞いに、泰麒はどこか恐れを抱きます。

 

そして李斎に出会ったときには、天馬である「飛燕(ひえん)」を触らせてもらい、泰麒が心を許す将軍のひとりとなったのでした。

 

泰麒、初めての使令は巨大な怪物「トウテツ」

今回の昇山には王がいなかった。

そう考えた女仙たちは、驍宗・李斎が獣狩りに行く際に、泰麒が同伴することを認めます。

 

大喜びする泰麒。泰麒にとっては初めての外の世界となりました。

 

妖獣・騶虞(スウグ)を探していた泰麒一行は、とある大穴を見つけ奥に入ります。

 

ところが泰麒はその奥から騶虞以上の妖気を感じ、引き返すところを李斎が獣に囚われてしまいました。

 

獣は「トウテツ」と呼ばれる巨大な恐ろしい妖魔だったのです。

泰麒は咄嗟に折伏で「トウテツ」の動きを封じ、その間に李斎を救い出します。

 

泰麒はさらに驍宗にも、脱出するように伝えますが、驍宗は身動きが出来ません。

「お助け下さい」驍宗は泰麒にそう答えました。

 

その瞬間、泰麒の身体に力が宿り、「トウテツ」の折伏に成功したのです。

 

今までに「トウテツ」の折伏に成功した麒麟はいません。

泰麒は初めて自分で折伏に成功し、妖魔を自分の使令(しれい)としたのでした。

 

驍宗が戴国の王に。泰麒の葛藤が始まる

蓬山から降りる者が現れるようになった頃、驍宗は泰麒に別れを告げます。

 

しかも驍宗は下山したあとは、戴国の禁軍の将を辞すると言うのです。

つまり、泰麒とは二度と出会うことはないと伝えられます。

 

驍宗を留めたい。その気持ちだけで泰麒は夜の宮殿を抜け出します。

 

泰麒はその瞬間、ついに世界で最も速い「麒麟」の姿に転変することに成功したのです。

 

驍宗のもとに、泰麒は「黒麒」として現れます。

さらにその場で驍宗に、王の誓約を行ってしまうのです。

 

驍宗はこの誓約を喜びますが、泰麒は「王気」が無い驍宗を王にしてしまったと罪におびえることになります。

 

景麒と延麒、「麒麟」の性質を泰麒に教える

驍宗は無事、天勅(てんちょく)の儀式を終え泰麒と共に戴へ下ります。

 

しかし泰麒は、いつ驍宗が天から罰せられるかと不安でなりません。

元気のない泰麒を見かねた驍宗は、景麒を戴へ招きます。

 

泰麒は景麒に、自分が「王気」のない驍宗を選んでしまったと告白。

どうすれば罪を贖(あがな)えるかを涙ながらに相談します。

 

景麒は少し考えたあと、一度その場を去り、後日再び泰麒のもとを訪れました。

その時には側に、「雁」国(えんこく)の王・延王と延の麒麟・延麒(えんき)もいたのです。

 

驍宗は泰麒に、延王には即頭礼(そくとうれい)をするように命じます。

素直に従う泰麒。ですが、腕をついたあとは頭を下げることが何故か出来ません。

 

機嫌を損ねる延王、叱責する驍宗を見て泰麒はすぐにでも頭を垂れようとします。

延王は泰麒の頭をつかみ、そのまま床に押し付けようとしました。

 

そこで、延麒と景麒が止めに入ります。

そして、この話自体は芝居であること、泰麒を信じさせるために景麒と延麒が考えたことと明かされました。

 

「王以外の人間に額づくことが出来る麒麟は、存在しない」

泰麒はようやく、この事実を知ります。

 

泰麒は驍宗に「畏怖」を感じており、それこそが天啓でした。

そして無事に驍宗を王に選んだのです。

 

こうして、戴国に新しい王と麒麟が立ったのでした。

 

『風の海 迷宮の岸』に登場する名言

「汕子が迎えに来てくれて、蓬山に来て、ぼくの本当の家は蓬蘆宮(ほうろぐう)なんだと聞いて、それでだったんだな、と思いました。ぼくは本当の子供じゃなかったから、何をしても駄目だったんだな、って。……でも、蓬蘆宮でもやっぱり同じなんです。
(中略)やっぱりぼくは本当はキリンじゃないんじゃないかと思います。もしもキリンじゃなかったら、ぼくは蓬蘆宮いちゃいけない。うちにいちゃ、いけなかったのと同じに」(泰麒)

泰麒が景麒に相談した時に告げた言葉です。

転変も折伏も出来ない泰麒は、自分が麒麟ではないと思い始めていました。

 

泰麒は日本にいた時も厳しい祖母に叱られることが多く、自分を駄目な子供だと思っていたのです。

 

それと同じように、「駄目な自分はいてはいけない」と思い悩んでいました。

たった10歳の子供の泰麒の苦しみが伝わる、深い言葉です。

むかわ
人でも新しい土地や環境に自分の身を置くときは、このような気持ちになるのではないでしょうか。

 

 

「私に五百年の寿命があれば、延王に遅れは取りません」(驍宗)

驍宗が泰麒の質問に答えた時の、強い言葉です。

驍宗の剣は、延王との競技試合の際に記念として賜ったものです。

 

延王は十二国最強の剣の使い手と言われています。

そんな彼から三本勝負の一本を取った驍宗ですが、敗北したことは記憶に残っているようです。

 

泰麒が勝負に負けたのかと聞いたときには、その気概の強さからこのように答えました。

断定で言い切るところが驍宗の強さを表しています。

エレ子さん
このような驍宗だからこそ、王であり泰麒が「怖い」と感じる人物なのです。

 

「この方は駄目だ——そう思ったが、逆らえなかった。天啓は抵抗できない強い直感です。おそらくは、たとえその人物を憎んでいても、麒麟はそれに抵抗できない。だからこそ天が下されるのだと言うのです」(景麒)

景麒が最後に泰麒に天啓を教える台詞です。

景麒の選定した王は、このときは陽子ではありません。

 

ジョカクという女王だったのですが、彼女は商人の娘でした。

その際にすでに景麒は女王に相応しい人物ではないと気づいていたのです。

 

ですが、「天啓」があったため選ばざるを得ませんでした。

麒麟という生き物が天の意向に従う神獣であることがよくわかります。

むかわ
泰麒との会話の中で景麒もずいぶんと優しくなったことがわかる言葉でもあります。

 

 

感想や見どころ

十二国中、最も不遇な麒麟・泰麒のはじまりの物語が本作では描かれています。

 

王の物語の陽子、麒麟の物語の泰麒

「海の影 影の海」は景王・陽子の物語ですが、今回は王ではなく、そのそばに仕える神獣・麒麟の物語となっています。

 

特に泰麒は十二国の中でも最も荒廃していると言われる「戴」国の麒麟です。

今後も十二国記シリーズでは主軸となる麒麟ですので、絶対にこの「海の風 迷宮の岸」は抑えておきたい部分と言えます。

 

麒麟については、若干の説明が必要です。

  • 十二国では人も麒麟も、樹木に実る
  • 麒麟の卵果が実ると同時に、麒麟の乳母である女怪も誕生する。女怪は一生、麒麟の守護として存在する
  • 麒麟の「折伏」とは、自らの力で妖魔に打ち勝ち、使令に下すこと。
  • 麒麟は血に弱く、戦いには不向きであり、護衛の際には使令を使う

 

文中で出てくる汕子は泰麒の女怪、「トウテツ」は使令ということになります。

本来であれば多くの使令を持つのが麒麟ですが、泰麒はこの2つしか使令を持っていません。

 

幼い泰麒の「葛藤」が読者の心をつかみ、苦しめる……

泰麒は日本にいた頃から、自分の居場所がないと感じていました。

そのため、蓬山や十二国には早い内に馴染み、心配なく成長するかと周りには思われていたのです。

 

ところが、泰麒はここでも「転変」や「折伏」が出来ない、出来損ないの麒麟だと悩み始めます。

 

それは、日本にいた時に自分がいるから祖母に母が叱られる、自分さえいなければ誰も泣かなくてすむ、という哀しみと同じでした。

 

泰麒の優しさは常に自分を苛み、読者の心を打つのです。

どれほど素晴らしい能力を持っていたとしても、泰麒はまだ10歳の子どもです。

 

二度と日本には戻れないと知り、やはりショックを受けてしまいます。

しかし、蓬山には常に泰麒の世話をしてくれる女仙がいることから、涙をこらえてしまうのです。

 

本心を打ち解けられたのは、同じ麒麟の景麒だけでした。

 

「居場所がない」と感じるのは麒麟だけではなく、人間である我々にも言えることではないでしょうか。

 

自分の力が至らない、そういったことで苦しみを味わう泰麒の姿は、決して神獣ではありません。

人そのものの心と言えるでしょう。

 

驍宗と李斎は十二国のキーマン!最後まで登場する重要人物!

泰麒の王となった驍宗、そして将軍・李斎は「戴」の物語のキーマンです。

 

先の話ではありますが、驍宗と泰麒は謀叛に遭い、「戴」国は再び冬の時代を迎えることになります。

 

この時、泰麒は自ら「蝕」を起こして、日本に戻ってきてしまうのです。

これを取り戻すために、必死に動くのが李斎です。

 

李斎は泰麒のお気に入りの武人で、女性です。

しかし何故か泰麒は、「怖い」と感じた驍宗を王として選びます。

 

これは、泰麒が王への「畏怖」や「おそれ」を感じていたからなのです。

幼い泰麒には、その違いが判らなかったということになります。

 

実際、「王気」や「天啓」は目に見えるものではない、ということを知らなかったため、泰麒はその後、多いに悩むのです。

 

本編の見どころは、この小さい泰麒が「葛藤する」ところにあります。

最後に「誤った王を選んだ」という葛藤を据えるあたりは、作者の力量でしょう。

 

泰麒は日本へ、李斎は助けを求めに「戴」から出ることになります。

では、王である驍宗はどこへ行ったのか。

 

十二国記シリーズの裏テーマは、実はこのストーリーとなります。

弱く、小さい泰麒がどう運命を切り開いていくのかも、今後の見どころです。

 

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