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十二国記『東の海神 西の滄海』のあらすじとネタバレ

【ネタバレ有】十二国記『東の海神 西の滄海』の名言や感想まとめ

本記事では、小説:十二国記『東の海神(わだつみ) 西の滄海』の感想とあらすじ(ネタバレ)を紹介しています。

また、作中に登場する名言についてもまとめてみました。

 

雁国の歴史を描いた「東の海神 西の滄海」では、これまでの十二国シリーズでは触れられていなかった、王を中心とする家臣とその配下、軍事、土地などが語られます。

 

エレ子さん
政治の話はムズカシイ…?いや、面白いです!

 

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十二国記の小説を読むオススメの順番について

 

『東の海神(わだつみ) 西の滄海』あらすじ

 

十二国の北東部、500年もの治世を敷く延王・尚隆。そしてその麒麟・延麒。

今回の物語は、そんな彼らがまだ国に降りて間もない頃の話です。

 

延麒・六太は、遠い昔に出会った妖魔に育てられた子ども・更夜を思い出していました。

 

更夜も六太も、戦争で両親から捨てられた身。

妖魔に拾われた更夜には名前が無く、六太が「更夜」と名付けたのです。

 

その更夜が六太のもとを訪ねて来たことから、事件は勃発します。

更夜は六太をさらい、都の西に離れた元州公・斡由の元に連れていったのです。

 

斡由の要求は民の救済、そして王よりも上帝位を創設し、自らをその位に就けることでした。

 

延王・尚隆は、朝議にも出ず政治に関心が無い。

そんな噂を聞いた斡由は怒り、それならば自分に権限を与えるべきだと要求したのです。

 

麒麟は王を選び、王位に据える生き物です。

要求に応じることは出来ず、延麒は囚われの身となります。

 

そして、延麒は「麒麟である自分」と対峙することになります。

 

雁国の王・尚隆は延麒を奪還出来るのか。

斡由・更夜の野望は、雁国を本当に幸せに出来るのか。

 

延麒の苦悩の記憶が、今、語られます。

 

ネタバレ・ストーリーの流れと結末について

ここでは、十二国記『東の海神(わだつみ) 西の滄海』のネタバレを含むストーリーの流れを紹介しています。

 

延麒、更夜と再会し元州に攫われる

雁国(えんこく)に延麒と延王が立って20年。

大地にはようやく緑が戻り、豊かさを取り戻しつつありました。

 

しかし、延王・尚隆(しょうりゅう)は朝議を抜け出し、街に降りることを繰り返す始末。

 

延麒もまた、朝議をさぼり各地を見回るなど、政治に積極的ではありませんでした。

 

ある日、延麒の名前「六太」を訪ねる者が宮廷に現れます。

それは遠い昔に会った、妖魔に育てられた子・更夜(こうや)でした。

 

更夜はその後、元州(げんしゅう)の斡由(あつゆ)に引き取られ、臣下として仕えていると言います。

 

再会を喜ぶ六太。

しかし、更夜は六太の側近を殺害し、城下の赤子を人質にして六太を元州にまで連行したのです。

 

元州・斡由の要求に延王・尚隆は否を突きつける

延麒は更夜が仕えているという、元州の公・斡由と面会します。

 

斡由の要求は、政治における王の上位を創設し、自分をその上帝位(じょうていい)に就けよ、というものでした。

 

延王が政治に関心がないのであれば、自分が政治を行うというのです。

延麒には返答が出来ません。

 

延麒と共に、州侯(しゅうこう)を監督する驪媚(りび)もまた更夜に囚われていました。

 

延麒・驪媚・攫われた子はそれぞれ、「赤索錠(せきさくじょう)」という呪(じゅ)をかけられます。

 

延麒の額と驪媚の額には小さな石が置かれ、力が封じられてしまいました。

 

誰かひとりでも自分の石と糸を断ち切れば、他の者の糸が締まり死に至る。

更夜はそう告げます。

 

斡由は、元州から延王に奏上(そうじょう)する使者を派遣していました。

 

王位を簒奪(さんだつ)するのではなく、上帝位を狙うという斡由の要求に尚隆は笑い、そして拒否。

 

同時に政治を司る宮廷内の六官(ろっかん)を罷免(ひめん)。

元州へ兵を向かわせると言うのです。

 

この判断に尚隆の側近たちは呆れ返り、意図を尋ねます。

尚隆には考えがあったのです。

 

驪媚の覚悟、延麒脱出へ

「元州・斡由謀叛(むほん)」

民は、再び戦を引き起こそうとする元州に怒り、謀叛鎮圧のため延王の軍に次々と加わります。

 

その結果、王朝軍は想定外の数を抱える事に。

一方、牢内で延麒は驪媚と尚隆について語ります。

 

驪媚は尚隆こそ名君であると説きますが、延麒は素直に認めません。

その様子を見た驪媚は、そっと延麒の背後に回りました。

 

「宮城(きゅうじょう)にお帰り下さいませ」と一言つぶやいた驪媚は、延麒の糸を断ち切ったのです。

 

瀬戸内海小松氏の最後、そして延麒との契約

驪媚と赤子の血を浴びた延麒は、更夜に発見され保護されます。

更夜は慌てて女官に延麒の手当を言いつけ、延麒は体の血を落とされました。

 

延麒は自分の過去を思い出します。

 

延麒・六太は、合戦中、両親に捨てられたのです。

餓死寸前で彼の女怪(にょかい)が見つけたのでした。

 

六太は「王は戦をもたらす」と考え、麒麟の役目である王の選定を拒否。

再び蓬莱(日本)に戻り、放浪の日を重ねます。

 

旅の果て、六太は尚隆に出会い、王の天啓を受けました。

 

尚隆は小松家という武家の跡継ぎで、戦火の中、民を逃す方法を考えていました。

 

自らの首で民を贖うという尚隆。

六太は彼を見捨てることも王として契約することも出来ず、苦悩します。

 

無残にも、村上水軍は民まで殺し尽くし、尚隆は六太に助けられます。

六太はようやく、尚隆に「国が欲しいか」と問いかけることが出来ました。

 

尚隆はそれに「欲しい」と応じ、延王の契約が成立したのです。

目覚めた延麒に対し、女官は脱出を促します。

 

驪媚の思いを背負った延麒は、その途中、牢に閉じ込められた斡由の実父・元魁(げんかい)を発見しました。

 

本来の州侯はこの元魁でしたが、心を病み、斡由が代理として州を治めているということでしたが、元魁は嘘だと断言します。

 

斡由は元魁から位を奪い、牢に幽閉したのです。

 

斡由と更夜の最後、延王の約束

元魁から真実を聞いた延麒は、斡由の兵に発見され保護されてしまいます。

 

ところがその兵士は、なんと尚隆でした!

尚隆は自ら元州に入り込み、兵となって状況を探っていたのです

 

一方、斡由は数が膨らんでいく王の軍勢に、焦りを感じていました。

そこで川の堤を切り、王の軍を沈めようとします。

 

側近である白沢は、それでは民が死んでしまう、民を救うための反乱だったはずだと諭しますが、斡由は耳を貸しません。

 

そこに現れたのは、延麒でした。

延麒は斡由に元魁の処遇を問いただします。

 

しかし、斡由は言い逃れをして、罪を白沢にかぶせようとしたのです。

 

そして延王・尚隆が現れます。

尚隆は、「どちらに天啓があるかは、戦えばわかる」と言い、斡由と剣で討ち遭うことに。

 

勝ち目のない斡由は、敗北した様子を見せながらも、尚隆が後ろを向いた途端、斬りかかります。

更夜と延麒は、同時に妖魔と使令の名を叫びました!

 

次の瞬間、斡由は延麒の使令の餌食となっていました。

更夜は妖魔を襲わせるためではなく、止めるために名を呼んだのです。

 

こうして斡由は、命を落とすことになったのでした。

 

再び育ての親の妖魔と自分だけになってしまった更夜。

 

そんな更夜に、尚隆は雁の国が豊かになり、雁の妖魔が人を襲わなくなれば更夜の居場所が出来る、そんな国を造ると約束します。

 

更夜は、雁がそうなるまで黄海(こうかい)で妖魔と過ごし、待ち続けると言いました。

 

元州の謀叛から数十年が経過した雁。

尚隆と延麒は、再び今日も宮廷を抜け出し、旅をします。

 

それに口を出す臣下もなく、彼らは500年もの安寧を雁国にもたらしたのでした。

 

『東の海神 西の滄海』に登場する名言

「台輔(たいほ)、お忘れくださいますな。国の荒廃は万民の苦難、新王の登極は雁国民の悲願でございました」
「我らがお待ち申し上げましたのは、延王君——尚隆さまでございます」(驪媚)

囚われの驪媚が延麒を助けるために、呪を断ち切る寸前にした会話です。

 

台輔とは、麒麟の尊称で役職名となります。

 

彼女は尚隆こそ真の王であることを延麒に説いて死んでいくのですが、この切実さと王こそ悲願であるという思いがあってこそ、彼女にここまでの行動をとらせたのです。

 

 

「俺一人生き延びて小松を再興せよだと? 笑わせるな!小松の民を見殺しにして、それで小松を興せとぬかすか。それはいったいどんな国だ。城の中に俺一人で、そこで何をせよと言うのだ!」
「俺の首ならくれてやる。首を落とされる程度のことが何ほどのことだ。民は俺の身体だ。民を殺されることは身体を刳(えぐ)られることだ。首を失くすよりそれのほうが余程痛い」(尚隆)

尚隆が雁国に招かれる前、小松氏滅亡の際に家来に行った言葉です。

 

尚隆の民への気持ちは、雁国に来ても変わっていません。

彼にとっては民がいてこそ、王の役目があるものなのです。

 

王は首、民は身体。身体を傷つけられるほうがよほど痛い。

むかわ
こう言い切る彼は、まさに名君たる器の持ち主と言えます。

 

 

「おれ、いまので分かった。おれは斡由に協力しない」
「更夜に人殺しを命じるような奴、嫌いだ。更夜はあんなに殺戮を嫌がっていたのに」
(六太)

呪が解けたあと、延麒が更夜に出会ったときに告げた言葉です。

 

更夜は延麒を逃した女官を、妖魔に喰わせてしまいました。

延麒はそれを血のにおいで感じ取ります。

 

昔、六太と出会ったときの更夜は、「妖魔に人を喰らうな、って言っているのに」と人の殺傷を嫌悪していました。

六太はそれを忘れていなかったのです。

 

エレ子さん
斡由のために自分の本心を閉ざした更夜を、目覚めさせた言葉でもあります。

 

 

「おれは斡由のためなら何をしても平気だった!人を殺すのだって、少しも苦しくなんかない!だから尚隆だって殺せたんだ!国が滅んだって、どんなに人が苦しんだって、子供がどれだけ捨てられたって、そんなの少しも気にならない!」(更夜)

斡由を見殺しにしてしまった更夜が、尚隆に言い捨てた言葉です。

 

人に愛されず育った更夜を助けてくれた斡由。

更夜にとって斡由は、一生の信頼に足る人物だったことには、違いがありません。

 

それなのに、いざと言う時には斡由を見殺しにしてしまった。

彼は憔悴し、尚隆にその怒りをまき散らすのです。

 

しかしこれを受け止めた尚隆は、彼に更夜と妖魔の住むことのできる国を与えると約束します。

エレ子さん
これほどまでに愛するということを貫いた更夜の、悲痛な叫びです。

 

感想や見どころ

これまでは陽子、泰麒(たいき)といった人物の成長を描いていたものでしたが、ここで十二国シリーズは更に「政治ゲーム」の要素まで取り入れてくるのです。

 

「東の海神 西の滄海」は政局争いシミュレーション!

作者は本当によく文献を読み、参考にしていると感じます。

 

大まかに理解しておきたいのは、延王・尚隆は雁国の最高位であること。

そして雁国の首都のある州を代表とする州候は、必ず麒麟が担当となります。

 

それ以外の州には、それぞれ代表者が存在し、今回は雁国の西にある元州の公・斡由がそれに該当します。

 

尚隆が王として君臨して20年となりますが、各地の州候は以前の王が任命したままの人選です。

そのため、尚隆は州候から権力を奪い、州の要望は必ず王を通すことにしてあります。

 

しかし、ここで問題が発生したのです。

 

斡由の治める元州は、早期の治水工事が必要でした。

しかし、王はそれを認可せずに放置しており、斡由はしびれを切らしたのです。

 

さらに、噂によると尚隆は政治よりも遊びまわってばかりと言うではありませんか。

 

斡由はそこで、延麒の天啓を受けていない自分自身が権力を握ることが出来るよう、上帝位を設けよと謀叛を引き起こしたわけです。

 

これ以外にも今回はさまざまな政治的な駆け引きが描写されます。

 

中国古代の官吏名や六官と言った役職名、そして雁国の地名などがずらりと並びますので、最初は意味がわからないこともあるかもしれません。

 

その時はストーリーを追いかけましょう。すると後から理解できます。

まずはこの大まかな斡由の野望について、知っておくべきです。

 

延麒の気持ちは「王という位は大嫌い、だが、尚隆自身は信頼出来る」

このストーリー、実は延麒が更夜にさらわれたことが最大の過ちです。

この部分は物語の最後に尚隆が六太に指摘をしています。

 

もし、延麒が心を鬼にして更夜と育て親である妖魔を殺害していれば、斡由の乱は失敗に終わり、余計な死者も出なかったでしょう。

 

しかし、麒麟は「慈悲の生き物」です。

これを見事に利用されました。

 

延麒はこの頃、尚隆が何故街に降りるのか等を理解出来ず、本当に怠惰で政治に関心がない王ではないか、と思っていました。

 

延麒・六太は戦国時代の日本で生まれ、都が大名たちに焼かれ、戦乱を常に起こしていたことを知っています。

 

そのため、「王などいないほうが良い」という考えだったのです。

 

斡由の上帝位の話に賛同できなかったのも、同じく拒否できなかったのも、こうした複雑な思いがあったからです。

 

  • 尚隆は信頼できるが、「王」というものは信頼出来ない。
  • 権力を持つ者は、結局は民を虐げる。

延麒の考えはこのため、斡由とは相いれないのでした。

 

ストーリー最大の見どころと悲劇は「驪媚の覚悟」

そんな延麒と一緒に捕縛されたのは、驪媚という女性です。

驪媚は州候を監視する役割を担っている、尚隆の臣下。斡由に囚われるのは当然でした。

 

実は驪媚は、自分がいつか殺されるであろうと知っていたのです。

 

尚隆は驪媚に監視役の任を依頼する際、謝罪をします。

信頼できる臣下がいない今、最も信頼できる驪媚を、元州に送るしかないと詫びたのです。

 

驪媚はそうしたことから、尚隆が王に相応しい人物だと判断します。

しかし、肝心の六太は延王を認めず、「斡由に政治を任せたほうがいいかもしれない」と軽口を叩く始末でした。

 

驪媚は、何とか尚隆にこの謀叛を教え、延麒を帰還させる役割を担っています。

彼女はそのために、自らの命は捨て、延麒の呪を解いたのです。

 

このシーンは小説にも挿絵が入っており、絶望的な表情の六太と、顔の見えない驪媚の姿が描かれています。

 

臣下にここまでの忠誠を仰がれる。

それこそが「王」たる証ではないでしょうか。

 

こうして延麒は、次第に自分の考えを改めるようになるのです。

 

自分が軽んじていた王、尚隆に対し命を投げ出した驪媚。

六太はこれに動揺し、王というものを見直し始めたのです。

 

更夜はその後、「黄海」で仙人に

最終的に、養い親の妖魔と共に「黄海」に旅立つ更夜。

更夜は妖魔に「ろくた」と名付けています。

 

更夜は最初、自らも妖魔の鳴き声しか発する事が出来ず、さらに妖魔と暮らしていたため、人間からは常に恐れられ、避けられる存在でした

 

そこを斡由に助けてもらったことから、一生の忠誠を斡由に誓っているのです。

 

最終的には雁国にはまだ戻っていない更夜ですが、実は他の作品で、今後は登場することがあります。

 

更夜は妖魔が住む「黄海」において、唯一人間を守護する仙人「犬狼真君」として崇められるようになるのです。

 

「黄海」は、麒麟が生まれたとき王に選定されたいと望む者は、必ず渡らねばなりません。

そして、大勢の者が旅の途中で命を落とします。

 

更夜はそれを救う、仙として生まれ変わるのです。

更夜も六太も、戦争孤児であり孤独であったことは変わりません。

 

ただ、仕える君主が違い、運命が違っただけだったのです。

 

政治的駆け引きと、戦略ゲームが合わさったような本作ですが、実は描かれていることはこれまでと同じく、延麒・六太の成長であり、延王・尚隆の器が問われるというものです。

 

権力を嫌いながらも、最高の権威を持つ「王」を選ばねばならない、麒麟。

この運命からは、逃れられないものなのです。

 

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